齢34歳の若年ながら、国家のリーダーとして、驚異的な外交手腕を世界に見せつけている金正恩朝鮮労働党委員長。
彼の意外とも思える一面をうかがい知れるエピソードがある。
先代指導者である金正日総書記が逝去し、金委員長が朝鮮のトップに就任して間もない2012年2月16日、金委員長は、建国の父、故金日成主席と故金正日総書記の遺体が安置された錦繍山記念宮殿の名称を錦繍山太陽宮殿に変更、同年12月17日から一般公開に切り替える方針を打ち出した。
金委員長はこの時、それまでは大理石の石畳で覆われていた宮殿広場を、芝生敷きの一般公園様式へと改修するよう関係部門に指示を出した。
政府高官や関係者たちの中には、警備面・保存面の見地からこれに異を唱えるものもいた。
これに対し金正恩委員長は、先代指導者たちは人民を愛し、いつも人民の中にいることを自らの至上の喜びとしていた、だのに君たちは何かといえばすぐに格式を持ち出して、首領と人民を遠ざけようとする、それでは首領も人民も悲しむ、君たちがそうさせたのだ、首領と人民の距離はいつも近くなければならない、人民がいつでも首領に会いに来られるようにしなければならないと叱ったという。
金委員長の意向のもと、2013年4月1日錦繍山太陽宮殿法が制定され、毎年定められた期間及び時間に錦繍山太陽宮殿の広場及び公園を一般開放、何人も写真を撮影し休息を取ることができる(32条)ようになった。
なお、伝え聞くところによると金委員長は芝生の愛好家で、自宅の庭で各種芝を研究栽培しているとのこと。
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