注視される元山市開発プロジェクト、期待される海外投資

朝鮮が注力している元山葛麻海岸観光地区の開発。 これは元山ー金剛山国際観光地帯構想(2014.6)の一環として進められているものだ。

朝鮮の元山開発プロジェクトについては、2015年、2016年に元山地区開発総会社が朝鮮語、中国語、ロシア語、英語で制作した約30種類のパンフレットを発表、海外からの投資を提案している。

プロジェクトにはゴルフ場開発等のリゾート開発なども含まれるが、一番のビッグプロジェクトは元山市都心の再開発だ。 6月の朝米首脳会談後、アメリカのトランプ大統領も元山地域の再開発に関心を示しているという。

朝鮮は元山都心部の再開発により、市の中東地域30万㎡の敷地に新市街を造成する計画案を推進している。

計画案によると、同地域に上下水網、電力網、道路網、通信網などを新たに整備する方針で、地域内に現存する住宅や企業など3600世帯を対象に撤去も行われる。

新市街地には賃貸住宅エリア1、2区域と事務と総合サービスエリア1、2区域、中央噴水エリアが開発される。

賃貸住宅エリアには、30階建てのマンション4棟と21階建てのマンション6棟が建設され、2000世帯の入居が予定される。

事務及び総合サービスエリアには3つ星ホテル、国際金融ビル、レンタルオフィスビル、デパート、大型スーパーマーケット、室内体育館、フィットネスジム、世界料理専門レストランなど、10余の建物が建設される。 人工噴水と円形芝生なども一緒に造成される。

朝鮮は投資コストとして1億9656万ドルを予想、投資家には30年間土地を賃貸す​​るという計画だ。

計画の一環として、朝鮮は入居企業や観光客を支援するための金融総合庁舎の設立(写真)を計画している。

計画案によると、元山ー金剛山国際観光地区の入居企業と国内外の観光客、地元住民に総合的な金融サービスを提供する金融総合庁舎を建設を推進している。

朝鮮は元山ー金剛山国際観光地区が完成した場合、年間100万人の外国人観光客が訪問すると予測している。この観光客のサポートと関連施設投資、企業支援などのために貸付金、預金、送金、貨幣交換、保険、住宅ローンなどの金融業務を行う金融機関の入居を希望しており、そのために国際的な金融総合庁舎を建設しようとするもの。

朝鮮が構想する庁舎は、総敷地面積1500㎡、建築面積800㎡、延べ建築面積1万2000㎡で、地下2階、地上15階規模のビル。 国内銀行と海外銀行支店、保険会社、信託会社、金融、投資諮問会社などの入居を朝鮮は誘致したいと考えおり、入居者のために庁舎内に高速電信網、統合セキュリティシステムなどを備える計画だ。 朝鮮は325万6000ドルの投資を受けて庁舎を建設し、20年間の運営権を保障する方針だという。

朝鮮はまた、同地域で年間10万人が観覧することができる規模の多機能型国際展覧会場の建設(写真)も推進している。

朝鮮は、外国投資企業と朝鮮企業が同特別経済区域が活性化した場合、製品サンプルを展示して売買契約を締結することができる商品展覧会スペースが必要であると判断、東海岸地帯に国際展覧会を開催できる規模の建物がないため、元山ー金剛山地域を世界的な観光地にするならば国際展覧会をはじめ、大型国際イベントを開催することができる建物を建設しなければならないとしている。

朝鮮は展覧会場を総敷地面積1万㎡、建築面積5000㎡、延べ建築面積1万5000㎡の地下2階、地上3階の円筒式で建設する案を検討している。 地上1階と2階は展覧会区域に、3階はオフィスとして使用、地下1階は倉庫、地下2階は駐車場に利用するものとしている。 展示スペースを600に区切って、年間10万人が展示場を訪問できるようにする計画だという。

朝鮮は初期投資費用として960万ドルを予想、投資家に25年間運営権を保障する方針だ。

朝鮮はさらに海岸に5つ星級の超大型ホテル(写真)を建設して、元山ー金剛山国際観光地帯を象徴するランドマークにする計画案を検討している。

朝鮮は元山ー金剛山国際観光地帯が数十万人の人口と430㎢余りの開発面積を持っており、年間100万人以上の外国人観光客が訪れる観光地として開発出来るとみている。

朝鮮は元山市の現在の宿泊能力が、これから予見される観光客の需要に比べて非常に不足しており、施設も世界レベルに比べて劣ると診断、元山市に国際観光地帯を象徴するホテルを作ろうというもの。

ウォーターフロントに位置し敷地面積約7万㎡、総宿泊能力1000客室の5つ星ホテルを目指す。 ホテルには最上級の宴会場と会議室、サービス施設を備え、レンタカーサービスと遊覧船クルーズも連携する。 また、最新の通信設備を備え、任意の場所から国際通信を行えるようにすると説明している。

建物は海洋を航行する大型船の操舵室をモチーフに作られ、外壁は大きなガラスで装飾し、自然エネルギーを効果的に利用する緑色で建設される。

朝鮮はホテル建設期間を約4年、建設費用として5億8188万ドルを予想している。うち、9220万ドルを朝鮮が負担し、4億8968万ドルは外国資本の投資を受ける構想で、投資会社には40年間のホテル運営権を保障するとしている。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。