米国務省朝鮮担当特別代表を務めたジョセフ・ユン氏が15日(現地時間)、朝米交渉の膠着状態を突破する方法として、平壌とワシントンD.C.に「相互連絡事務所」を設置することを提言した。
ユン氏はワシントンポスト紙(15日付)に「米国と北朝鮮がいかに失望のサイクルを打ち破ることができるだろうか」という題名で寄稿、朝米首脳会談以降、「段階的・同時的解決策」と「完全かつ即刻的な非核化」を主張して対立する状況について「危機のサイクル」に陥ることを避けるため、「米政府は外交的過程の幅を広げなければならない」と指摘した。
ユン氏は、その最も効果的な方法として「平壌とワシントンD.C.に相互連絡事務所を設置すること」を提言、その効用として「米国がシンガポール首脳会談の合意の第1項(新しい朝米関係の樹立)の約束を果たす準備ができているとの強いシグナルを送る一方、米国と新たな関係を追求しているという朝鮮の真摯さを試す機会になるだろう」と主張した。
ユン氏は、米国が中国やベトナムと連絡事務所の設置を通じて関係正常化を達成したことを指摘、「連絡事務所を常時的に設置し、持続的に対話する機会を設けることで1979年に北京、1995年にハノイに大使館を開く結果につながった」と説明した。
ユン氏は「トランプ政権が朝鮮との外交的過程を広げていくため、今一度、合意文を読み返さなければならない時」だと強調、現状が「シンガポール合意について自主的解釈にこだわるあまり、一方的な非核化要求だけに固執するのは、きちんと作動していない(こと)」と指摘した。
また、「シンガポール首脳会談以降、最大限の圧迫戦略は効力を失った」と指摘、「北朝鮮貿易の90%を占める中国がすでに対北朝鮮関係を正常化したのに続いて、まもなく経済制裁の緩和を要求する見込みであり、韓国も対北朝鮮経済支援や人道支援を再開するための方策を模索している」ことをその背景に挙げた。
ユン氏は「連絡事務所を相互設置するのは、シンガポールで吹き始めた薫風以降、米国だけが寒地に残されることを防ぐ核心的な処置」だと強調した。
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