ロシアが軍事演習「ヴォストーク2018」を実施する。 ショイグ国防相が8月28日明らかにした。
演習は9月11~15日にロシア中部と東部の軍管区で実施される。
演習には約30万人の部隊、1000機以上の軍用機、ロシアの戦艦2隻と全ての空挺部隊が参加する。 旧ソ連が1981年に実施した演習以来の規模になるという。
「ヴォストーク2018」には中国とモンゴルの参加が予定されている。
ロシアと中国は過去にも合同軍事演習を行ったことがあるが、「ヴォストーク」への参加は初めて。
中国側の発表によると今回派遣される兵力は3200名、兵器900、航空機・ヘリコプター30機となる。
「ヴォストーク」はもともと対日・対米戦争を想定したものと言われ、今回の中国軍の参加は、今までとは異なる意味合いを持つ。
「一連の「ヴォストーク」演習が日本にとって重要なのは、まずもって、その仮想敵に日本が含まれているという点にある。『ヴォストーク2014』の際にロシア国防省の機関紙『赤い星』が報じたところによると、同演習は仮想国家『北方連邦』と島を巡って領土問題を抱えた仮想国家『ハンコリヤ』が、軍事紛争に陥るという想定で実施された。
さらにこの紛争がエスカレートしたことにより、NATO(北大西洋条約機構)の主導的大国である『ミズーリヤ』が介入し、太平洋におけるロシアの内海を奪取しようと試みることも想定されていたという。具体的な国名は伏せられているものの、北方領土を巡る日露紛争が対米戦争にまでエスカレートするというシナリオであることは明らかであろう。」(「日米」「中国」も仮想敵!「ロシア軍巨大演習」、小泉悠、新潮社フォーサイト)
今回の中国軍の参加は、昨今の中露関係の急接近にみる劇的変化を端的に表すものといえる。 中露で日米に対抗するという意思表示とも受け取れる。
ロシアのペスコフ大統領報道官は報道陣との電話会見で、「ロシアに対して攻撃的で非友好的となりがちな現在の国際情勢の中で、(軍事演習は)正当化される」とし、中国の参加が中露が同盟関係に向かっていることを意味するかとの質問に対し、両国があらゆる分野で協力していることを示していると答えた。
これに関して、日本政府は「北方領土」でのロシアの軍備増強と軍事演習強化に懸念を示し、ロシアに対して「北方4島」への軍備増強を自重するよう求めているという。
日本は米韓合同軍事演習の中止に異を唱え再開を求めているが、いざ自国の至近距離で自国を「仮想敵国」とする大規模軍事演習を実施される脅威を感じれば、長年「アメリカの脅威」に晒され苦しめられてきた朝鮮の「訴え」と「思い」が少しは理解できるだろう。
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