何気なく資料に目を通していると、興味深い記事が一つ飛び込んできた。 それは、中国のインターネット社会で起きた事例を扱ったものだったが、「精神的日本人」、「精神的米国人」という言葉が目を引いた。
ここで言う「精神的日本人」「精神的米国人」とは、中国と中国人民を卑下し侮蔑する一方で、日本と米国を無条件に称賛し、無批判にもてはやす、自大主義に毒された中国人の事を意味するらしい。
記事によると、ハンドルネーム「@洁洁良」(清潔で良いという意味らしい)という人物が、ネット上で中国と中国人を散々侮蔑しまくった末、ネット民の執拗な身元探しに遭って身バレしたのだが、その身分が物議を呼ぶことになった。
その人物、本名を田佳良といい、遼寧省出身で遼寧師範大学を卒業した後、成績が優秀という事で福建省の厦門大学の環境科の生態学院研究生(博士院生)に推薦を受け、早くから中国共産党にも加入、それも「優秀共産党員」に選ばれていたらしく、その事実は人々に衝撃を与えた。
この事件で厦門大学が4月に発表した処分は「党籍保留考察」と「学籍保留考察」で、処罰が軽いと、中国のネット界隈は騒然となった。 時間が経ち、「@洁洁良」が忘れられそうになった頃、彼女が再び脚光を浴びる事件が起きた。
厦門大学の歴史系(学務)助教授である周运中という人物が「东海道子」(東海道子、道子は中国で使われない文字の組み合わせの名、日本語で読めば東海ミチコと読める)というハンドルネームで、ネット上で中国と中国共産党、中国人を貶し、「中国人は人である資格がない」などの非難と侮蔑を繰り返したことが明らかになって大炎上、大学側は9月1日に中層幹部会議を開き、周运中との招聘雇用を解除すると宣言した。 この流れで「@洁洁良」=田佳良は再びスポットを浴びることになった。
田佳良の母校である遼寧省師範大学が、彼女が発表した論文に学術的不正行為があった事を公表したのだ。 これを受けた厦門大学は、党籍保留考察期間に学術不正行為が発見された事を重視、8月15日、環境科生態学院党委員会が田佳良の党籍取消処分を決定、同時に学院は博士養成を中止し退学処理する事を提議した。 大学は退学に同意し、田佳良はすでに退学したという。
中国のネット民は「あんな『精神的日本人』はみな摘み出さなければいけない」、「大学で人間の屑を培養するなんて話にならない」と、二人の「精神的日本人」に対し容赦なかった。
名の挙がった二人に共通して言えることは、表では「模範的な」中国人を演じながらも裏で祖国と人々を「裏切り」続け、それが発露し破滅に至ったということ。
「精神的日本人」。 自身のルーツに背を向て事大主義に走る、これは全くの他人事ではない。
在日コリアン社会でも、そういった「存在」がコミュニティーを蝕んでいる側面があるのもまた事実。
無理もない。 日本で生まれ育ち、暮らしている以上、日本の「対朝鮮半島政策」による「負のイメージ戦略」の影響を受け続けることになるし、民族的な知識も精神的修養も不十分だと、それに流されてしまうこともある。
中には、進んでその道を行く者もいる。 真っ先に思い浮かぶのは、自称「朝鮮問題専門家」のKRの辺某、DNKの高某など…。 日本メディアに迎合し卑屈な「コメント」を発するその姿は「コリアンの皮をかぶった日本人」、まさに「精神的日本人」ではなかろうか。
「精神的日本人」の行きつくところは結局、「日本人化=同化」しかない。 単なる「国籍」ではない、「魂」のありようが問われる。
偉そうな事を言える立場にはないが、血筋だけじゃないコリアンで、自分はありたい。(Ψ)
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