朝鮮の李容浩外相が29日(現地時間)、第73回UN総会(ニューヨーク)の一般討論で演説した。
李外相は「朝米関係は、両国の共同責任であると同時にUNにも役割がある」と指摘、「UN安保理が、今年、朝鮮半島に到来した貴重な平和を無視することは決して正常とは言えない」「制裁で我々を屈服させるというのは、我々を知らない者の妄想に過ぎない」と強調した。
また、「制裁が我々の不信を増幅させている」とし、「我々の核実験とロケット発射を問題視して安保理が制裁を開始したが、試験が停止されてから1年が経つにもかかわらず、制裁決議緩和や解除がない」と、これを問題視した。
李外相は、彼は「UN軍司令部が南北の板門店宣言の履行を遮る、尋常でない動きを示している」と指摘、UN軍司令部に向けた苦言を呈した。 これは、8月に南北合同で北側の鉄道区間を点検する計画をしていたのをUN軍司令部が許可しなかったことを批判するもので、米国が「UN軍」の名を借りて南北の交流と協力を妨げているという問題の提起だ。
李外相は、「我々は、経済建設に集中しなければならない歴史的使命がある」「朝鮮半島を、核兵器も核の脅威もない平和の場にするための確固とした意志を持った」と述べた。
また、米国が6.12シンガポール共同宣言を徹底的に履行することを前提に、「朝鮮半島は、アジアと世界の安全に貢献する平和繁栄の発祥地に転換されるだろう」と強調した。
李外相は「朝米声明を徹底的に履行しようとする共和国の立場は確固不動である」と断言、「声明が円満に履行される為には、数十年間の朝米不信の壁を崩さなければならない」「様々な対話と交渉、合意履行の過程が結実を得ていないのは、互いに不信感が解消されないからだ」と指摘した。
李外相は「朝鮮半島の非核化も信頼醸成に基本を置いて、平和体制の構築と同時行動原則で段階的に実現されなければならない」「米国に対する信頼なしには、我が国の安全に対し確信を持つことが出来ないし、このような状態で、我々が一方的に先に核武装解除することは絶対にありえない」と強調した。
李外相は「我々はすでに、6.12首脳会談前に核実験と大陸間弾道ロケットの試験発射を停止し、重大な措置を取った。 今も信頼醸成の努力を傾けている」と指摘、「これに対し、米国側の対応する肯定的回答を得ていない」とし、米国に対応措置の履行を強く促した。
一方、李外相は、朝鮮の非核化意志に疑いを向けるのは、米国の国内政治の事情と関連しているという点を指摘した。 彼は「米国の政治家たちは、我々を信じることができないと非難する。 我々が受け入れることができないような無理な要求を行政府に強いて、対話と交渉が進まないように妨害する」と批判した。
また、「米国は『先の非核化』だけを主張し、終戦宣言を発表することに反対している。 相手を不信する理由を上げろと言うならば、米国側よりも、我々の方こそ上げたい理由がはるかに多い」と指摘、「米国は、我々よりも核兵器を先に持ったし、世界で唯一核兵器を実戦に使用した国」だが「我々は、米国に小石一つ飛ばしたことがない」と付け加えた。
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