アメリカ議会の対朝鮮政策が転換する兆しを見せ始めている。
米国議会上院外交委員会の委員長が、来年1月3日、第116代議会開院時に共和党のボブ・コーカー氏から同党のジェームズ・リッシュ氏に交代する。
上院外交委員会が事実上、米議会全般の対朝鮮政策を決定する事を踏まえると、これは非常に大きな意味を持つ。
コーカー委員長は、共和党所属でありながら米国内の反トランプ陣営の先頭に立っている人物として有名で、トランプ政府の政治運用に対し事あるごとに反対し、与党でありながらトランプの政敵と言われるほど。 2015年から共和党が上院多数党になって彼が外交委員長を務めた後、民主党から「超党的で滑らかに委員会を運営した」という評価を受けることになるほど、彼の反トランプ的対立姿勢は際立っていた。
コーカー氏は、米議会内の反朝鮮人士として「最高の名声」を持っており、昨年、朝米対決が激化した時、彼は朝鮮の政権交代、体制転覆などの「解決策」を公然と取り上げた。 対朝鮮政策に関する限り、コーカー氏はトランプ大統領とは対極にある。 ゆえに、次期上院外交委員長に内定したリッシュ議員が注目される。
そのリッシュ議員は3日、韓国の中央日報とのインタビューで「終戦宣言はいつするのかの問題であり、終戦宣言に抵抗する者はいないだろう 」と語った。
リッシュ氏は、開城工業団地の再開など南北経済協力事案についても楽観的な見方を示し、南北経済協力を対朝鮮制裁から免除する案について「現実性があるもの」とした。 さらに、次回の朝米首脳会談以後、米朝間の非核化合意を成立した場合、これを米議会で条約(treaty)として締結しなければと述べ、議会の批准が十分可能だという立場も表明した。
実のところ、リッシュ氏ももとは対朝鮮強硬派の人物だ。 今年2月にドイツで開かれたミュンヘン安全保障会議では、「対朝鮮攻撃が開始されれば、これは文明史上最も災難的な出来事の一つとなり、非常に迅速に終わるだろう」と言い放っている。 そんな対朝鮮強硬派がトランプ大統領の対朝鮮政策に同調しているという訳だ。 驚きの変身だ。
リッシュ氏は、トランプ大統領やペンス副大統領らとほぼ「毎日」朝鮮問題を相談しているとも語っている。 実際に「本物の朝鮮」と接している関係者からを情報を受け、対朝鮮観が大きく変化しているものと見える。
また、次回の朝米首脳会談の開催時期について、中間選挙(11月6日)以前に開かれる可能性を示唆した。
米議会上院外交委員会委員長の席から、反トランプ・反朝鮮陣営の代表であるコーカー議員が退き、トランプ政権の対朝鮮基調と同調するリッシュ議員が就任するのは、米議会の対朝鮮政策の変化を予告する。 政権に続き、議会でも対朝鮮政策の変化が確認されるという点で非常に重要といえる。
コーカー氏の退場と後任のリッシュ氏の変身は、米国内の反朝鮮気流が弱体化してきていることを示している。
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