アメリカの著名な核物理学者、ジークフリード・ヘッカー博士(スタンフォード大)がアメリカの朝鮮問題専門サイト「38NORTH」に最近寄稿した文で、「完全な核申告要求は、朝鮮の非核化のために必要な信頼を構築するよりも、かえってより多くの疑心だけを生むであろう」と警告、「朝鮮の完全な核申告が先だと拘るのは重大な失策」と指摘した。 ヘッカー博士は過去に7回訪朝している。
ヘッカー博士は、米国は核申告書の提出と検証合意を、非核化の約束に対する金正恩国務委員長の真摯性を判断する基準にしてはいけないとし、「朝鮮の立場からすれば、核兵器と核物質、施設を申告するのは米軍に標的リストを提供することを意味するもの」として見ることができ、技術的側面からも、完全な核申告書の提出が非核化の過程で効果的ではないと診断した。
博士は、核申告は必ず検証約束を伴うことになり、これには、核物質の生産など既存のすべての核活動や施設の査察と検証はもちろん復旧不能の保証ステップが含まれ、時間をかけざるを得ないと指摘、実例として、朝鮮が2008年寧辺原子炉と再処理施設に関する1万8千ページ分の申告書を提出したが、米国は後に追加申告を主張、朝鮮は米国が「ゴールを移動させ続けている」と批判し、交渉が決裂した事例を想起させた。
博士は「米朝間の信頼レベルが、朝鮮に対し完全で検証可能な申告書の提出を要求する段階ではない。 まず信頼構築が必要だ」と強調した。
また、「核兵器と核プログラムのない朝鮮」について「合意された最終的な状態(agreed end state)」で交渉を開始し、朝鮮が重大な非核化措置を取り、米国は相応の措置を取らなければならないとした。
ヘッカー博士は、その始まりとして寧辺の5メガワット級原子炉の廃棄を提案し、米国には朝米関係正常化に関連する措置をとることを要求した。
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