朝鮮の金正恩国務委員長が30日、韓国の文在寅大統領に親書を送った。
韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙報道官が記者会見で発表した。
また、「2019年も文大統領とたびたび会い、朝鮮半島の平和・繁栄のための議論を進め、朝鮮半島の非核化も共に解決する用意がある」と表明、「南北の両首脳が来年も朝鮮半島の平和と繁栄のため共にしていこう」と呼びかけた。
年内のソウル訪問が実現せず韓国内で少なからぬ落胆と失望の空気が漂っている中、金国務委員長がこのタイミングで文大統領あての親書を送ったのは、文大統領が「民族自主、自決」の原則にしかと立脚して南北の和解と協力を推し進められるよう、エールを送ったものと思われる。
事実、金国務委員長のソウル訪問が実現されなかったのは、米国と韓国政府の態度にあると言える。
米国の場合、朝米関係の進展を今以上進めず、現在の状態を維持しようとするその姿勢が透けて見え、「トランプ式忍耐」、「速度調節論」だとの批判が起きている。 それだけではなく、トランプ大統領の意思とは別に政権内から朝鮮の「人権問題」、「制裁の維持、強化」を主張する声が強まり、朝米関係を膠着させた。
米国はまた、南北関係の速度を調節せよ、米国の承認を受けよと主張、迅速な南北関係の進展を阻んだ。
文在寅政権は、9月に平壌共同宣言で合意した「民族自主、民族自決」の原則ではなく、米国の顔色を窺い見ることによって南北関係がより高速度で進む上での限界を示した。
トランプ大統領と「非核化になるまで制裁を維持する」「北の人権決議案の共同提案国参加」など、北と力を合わせるのではなく、米国に引きずられ、最終的には金国務委員長のソウル訪問に厳しい環境を造成してしまった。
金委員長の親書は、文政権が示した限界を指摘するよりも肯定的な部分を掲げて、文大統領にエールを送り、南側国民に再び「祖国統一への希望」で新年を迎えるようにする大きな意味が込められているといえる。
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