それは小さな一歩だ。 だが、確実に「大きな一歩」を踏み出した。
NPO法人「ウリ花・朝鮮半島と日本の架け橋たち」が、23日土曜日発足した。
「ウリ花」とは、朝鮮語(韓国語)の「우리는 하나다」(ウリヌン ハナダ=我らは一つだ)から着想を得た名称だ。 「ハナ」=一つになって「花」を咲かせようと言う意味で、そこには主催者の朝鮮、韓国、日本、在日コリアンの良心を一つに繋げたいという願いが込められている。
日本人が主体となって朝鮮半島との交流親善を活動趣旨とするNPO法人を発足させるのは、同組織が初めて。 昨今の日本国内の現状を考えると、それだけに同NPO法人の発足の意義は大きい。
発足記念講演会場となった東京中野区の中野ZEROには、関係者を含め、70人を超える日本市民と在日コリアンが集まった。 そのうちの半分以上が日本の人たちだ。
「ウリ花」は、「私たちは朝鮮半島及び在日コリアンの歴史について学ぶ機会を提供し、在日コリアンと日本人の交流の場を作り出す事によって、今までになかった新時代の平和や友好を築き深めることをめざします」と明示した。
「ウリ花」は、△朝鮮半島の歴史、世界情勢を正しく知る△在日コリアンの歴史を正しく知る△朝鮮学校を訪問する△在日コリアンと日本市民の交流促進を主な目的として掲げている。
発起人であり、代表を務める具幸司(飯田幸司)氏は挨拶で、「ウリ花」が日本市民の中に朝鮮半島と在日の正しい歴史と真の姿を伝えて行きたいと訴えた。
具代表は、民族の和解と平和へと突き進む、昨今の激変する朝鮮半島及び北東アジア情勢に日本が追いつけていない現状を指摘、日本国内のメディアが朝鮮、また最近では韓国との問題に対しても真実を伝えず、反って嫌悪感情を煽っている問題性を批判した。
彼は、「在日コリアンに対し、日本人は『綺麗な水』を流せているか。 『汚れた水』(悪意・差別感情)を流してしまっているのではないか」と投げかけながら、在日コリアンは生みの親である祖国(朝鮮・韓国)と育ての親である母国(日本)のどちらも愛しており、在日コリアンが日本と朝鮮半島の間に入って役割を果たせるように環境を作りたいと語った。
また、朝鮮学校を訪問すれば在日コリアンや朝鮮に対するイメージが一気に変わると強調、「朝鮮学校は日本の中の宝」であり、これを大切に守っていかなければならないと訴えた。
「ウリ花」は、隣国を正しく知り、国籍や民族を超越して朝鮮半島の秘められたポテンシャルを引き出す事に寄与する事を活動方向と定め、一般の人だけではなく議員、財界人、マスコミ等の日本社会と在日社会の橋渡し役を目指す。 「ウリ花」が消える時は目的が実現し、半島と列島に「平和の花」が咲いている時だと具代表は語った。
「ウリ花」は、できるだけ早い内に朝鮮学校への訪問を実現し、今後、定期講演会も開いていく予定だ。
記念講演では、朝鮮大学校文学歴史学部の李柄輝准教授が「朝鮮半島情勢融和へ向けた新時代へー第2次朝米首脳会談を見据えて」のタイトルで講演を行った。
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