UN人権理事会(UNHRC)総会で、朝鮮の女性従業員拉致疑惑事件の真相を究明するよう韓国政府に勧告してほしいとの要請が正式に提起された。
スイス・ジュネーブのUN事務局で11日(現地時間)開かれた人権理事会「相互対話」セッションで、ミコル・サビア弁護士(イタリア)が国際民主法律家協会(IADL)を代表して、トーマス・キンタナUN北朝鮮人権特別報告官に「韓国政府が(北朝鮮従業員拉致問題と関連した)国家情報院の疑惑と最終的役割について正しく調査するように促さなければならない」と要請した。
IADLは「独断的な拘禁と拷問、(国家機関による)大規模な査察などの様々な人権侵害行為が、どこで、誰によって発生したのか、必ず調査されなければならない」と主張した。
IADLは「キンタナ報告官は、2018年7月の記者会見で、12人の若い北朝鮮の女性従業員が2016年、国家情報院によって拉致され、ソウルに強制移送された可能性がある懸念を提起した」「女性従業員の意思に反して韓国に入国したのか真相究明を促し、(韓国の)弁護士が、北側家族のさまざまな抗議を提出したにもかかわらず、適切な司法調査が行われなかった」と指摘した。
IADLはキンタナ報告官に▲早い時期に該当事件と関連した韓国国家人権委員会の独自の調査結果を公開▲韓国に滞在している12人の女性従業員が板門店やソウルで朝鮮の家族と面会、電話、手紙交換などをすることができる方案模索▲北朝鮮離脱住民保護センター(旧・国家情報院中央合同審問センター)に抑留された脱北者の弁護人接見権保障ーなどが行われるよう韓国政府に勧告を要請した。
IADLは、米国の対朝鮮制裁の流れに便乗している加盟国が、朝鮮の人権問題を政治的、一方的に扱っている態度に変化が必要である点も明確に提起した。 朝鮮は「政治的攻勢」に反発、2016年からUN人権理事会セッションに参加していない。
同日のセッションに出席したEU、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ウクライナなど17カ国は朝鮮にUN特別報告官の訪朝許可を求めたが、IADLは「人権状況が進展する環境を造成するために、加盟国は北朝鮮に対する別のアプローチを検討する必要がある」とし「人権問題と関連し、我々が北朝鮮と国際社会との真の疎通をはかりたい場合、人権理事会は、政治的・選択的に(北朝鮮の)非行を暴露する形の対立的接近を避けることが重要」と指摘した。
また、「朝鮮半島の長い平和のためには朝鮮戦争を平和条約に終息させることが必要である」「このために加盟国は、米国が先ず1953年の休戦協定条項を遵守するように促す必要があり、これによって米国は韓国に駐留している28,000人余りの兵力を遅滞なく撤退させなければならない」と強調した。
IADLは、アジア太平洋法律家協会(COLA)と共同で、朝鮮の女性従業員拉致疑惑事件と関連した国際真相調査団を構成しており、5月に朝鮮と韓国の順に訪問し、関係機関と被害者、人権団体などに会って真相調査を進行する計画だ。
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