私は今日、ここに集まった朝鮮駐在各国外交及び国際機構の代表の皆さんに現朝鮮半島情勢と朝米関係に対する我々の立場を通報しようと思う。
皆さんも全てご存知のように、朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会委員長 金正恩同志の確固不動たる平和守護の意志と大英断によって、朝鮮半島には炎と炎が行き交う尖鋭的な対決の雰囲気は徐々に薄れ平和と和解の機運が宿り始めた。
歴史上初めて朝米間に2回の首脳対面と会談が行われ、南北間で緊張状態を解消し和解と団結、協力と交流のための積極的な措置がとられた。
特に、昨年に続いて今年2月にベトナムの首都ハノイでは、朝鮮半島の平和志向的な情勢が続いてより発展することを願う世界の期待と関心の中、第2次朝米首脳対面と会談が行われた。
我々は今回の首脳会談で、問題解決の唯一の活路であり問題解決の路上で必ず経なければならない必須的経路を、双方の利害関係に合わせて設定し、より深重で信頼的な措置をとる決心を披瀝した。 しかし米国は政治的利害関係に執着しながら会談に真正性を持って臨まなかった。
会談で我々が現実的な提案を提示するとトランプ大統領は、合意文に「制裁を解除しても朝鮮が核活動を再開した場合、制裁は可逆的である」という内容をさらに含めれば合意の可能性があるとする伸縮性のある立場を取ったが、米国務長官ポンペオやホワイトハウス国家安保補佐官ボルトンは従来の敵意と不信の感情から両首脳間の建設的な交渉努力に障害を造成し、結局、今回の首脳会談では、意味のある結果物が出せなかった。
今になって我々は、今回の交渉で何が不足し何がさらに必要であったのかについて改めて考えてみた。 今回米国は千載一遇の機会を逃したと思う。
我らが国務委員長同志はトランプ大統領と会った席で、シンガポール会談以後260日間はこれまでのいかなる時よりも忍耐と努力が必要な時期であったと言う事を話されたが、このような機会を作るために国内の多くの反対と挑戦も受け止めてこられた。 実際に我々の人民、特に我々の軍隊と軍需工業部門は、我々が絶対に核を放棄してはいけないとしながら、我らが国務委員長同志に数千通の請願手紙を上げている。
今回我らが国務委員長同志は、朝米両国首脳が公約した6.12シンガポール朝米共同声明を誠実に履行して、朝米間の信頼を築き、双方が公約した内容を段階的に一つ一つ実践して行こうとの意志を固め、まことに容易ではない首脳対面の道のりに出られた。
我々が今回見たところによると、米国側は朝米関係改善やその他の6.12共同声明の条項の履行には一切関心がなく、ただ、我々との交渉そのものとそれを通じた結果を、彼らの政治治績を作ることに利用しようとしていることを感じた。 端から米国側には6.12共同声明を履行しようとする意志がなく、彼らの政治的利害関係に沿った計算法を持って今回の首脳会談に出てきたというのが私の判断だ。
新しい朝米関係の確立と、朝鮮半島の恒久的であり強固な平和体制の構築、朝鮮半島の完全な非核化など6.12共同声明で合意された事項を履行するための実践的な結果を作るより、ただ、自分たちに政治的に得になる結果物をもぎ取れればそれまでというのが米国側の計算だった。 今回の首脳会談を通じて私は、70年の敵対関係にある朝米両国間で一、二枚の文書を作り出すということも、いかに難しいことなのか改めて見て感じた。
我々は今回、UN安保理が2016年以後我々の核試験と大陸間弾道ロケットの試験発射に託けて作り上げた「制裁決議」第2270号、第2321号、第2375号、第2397号の中で、民需分野と人民生活に支障を与える項目を解除にする部分的な制裁緩和を求めた。
トランプ大統領が毎日のように述べているように、我々が過去15ヶ月間に核実験と大陸間弾道ロケットの試験発射を停止している条件下で、このような制裁が残らねばならない如何なる名分もない。 それに関しては、UN安保理がより明確に答えることが出来るとおもう。
我々の核試験や大陸間弾道ロケットの試験発射に託けたUN安保理「制裁決議」には、「朝鮮民主主義人民共和国が決議を遵守する程度に応じて、制裁を強化、修正、保留、解除する準備がされている」というフレーズが明白に記されている。
今回の会談で私が感じたのは、米国の計算がまことにおかしいというものだ。 米国は、我々が過去15ヶ月間に核実験と大陸間弾道ロケット試験発射を進めていないと言葉ではたくさん言いながら、それに相応して該当するUN制裁を解除する措置を取らず、むしろ、無理矢理に非核化問題まで捻じ込みながら非核化をしなければ制裁を解除することができないというとんでもない詭弁を押し並べた。 そうであれば、米国の計算法は一体どこに基づく計算法なのかということだ。
そうかと思えば、第2次首脳会談後、米国高官の中では非常に底意地悪い発言が連発されている。 特にホワイトハウス国家安保補佐官ボルトンは、対話相手である我らに対し言葉を選ばず、自分の口からどんな言葉が出るかも知らずむやみやたらに吐いている。 そのようにして我らの最高指導部と人民の感情を傷つけた時、その後遺症がどうなるのか、果たしてそれに絶え得る言葉を言っているのか非常に憂慮される。
私はすでにハノイで、我らの最高指導部の立場について一度述べたものと記憶している。 今も私は、明らかに我らが国務委員長同志が米国の計算法について疑問を持っておられ、このような交渉をする必要があるだろうかと考えられているだろうと思う。 帰国される途中に、このような列車旅行をどうしてまたする必要があるのかとおっしゃるのを聞いて、我らが委員長同志の考えを読むことができた。
明白にしておくが、今のような米国の強盗的立場は事態を明らかに危険にするものだ。 我々は米国といかなる妥協もするつもりはないし、今回のような交渉は尚更行う意欲も計画もない。 私は我らの最高指導部がすぐに決心を明らかにするものと見る。
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