朝鮮を核保有国と認めて対話をしなければならないという主張が米国内から出てきて注目される。
米国ミドルベリー国際学研究所のジェフリー・ルイス東アジア不拡散プログラム所長が8日(現地時間)、ワシントンポスト(WP)に寄稿した「北朝鮮は核兵器を保有している。 ドナルド・トランプ大統領にとってはそれも平気に見える」というタイトルのコラムで「トランプ政権は北朝鮮を核保有国のように接している」と指摘した。
ルイス氏は、6月30日に板門店で朝米両首脳が対面してトランプ大統領が朝鮮の地を訪問した最初の現職大統領になったと言及、「これは、米国が北朝鮮を核保有国として受け入れるように見えた」と述べ、朝鮮の核問題を扱うトランプ政権の態度に変化の兆しがあると主張した。
ルイス氏はトランプ大統領が板門店会談直後の記者らとの席で「核問題」の公式発言をしなかったことに注目、先だってのシンガポールとハノイ会談の際に米国側が強調した「迅速な非核化」が、先月の板門店対面後からは「急いではいない」「適切な速度」などの表現に変わっている点を指摘した。
また、トランプ大統領が板門店会談後に「制裁は維持されるが、交渉のある時点である事が発生することもある」と言及したことも、米国側が2月末ハノイ首脳会談で蹴った「アイディア」に対して現在は開かれたスタンスであることを示唆したものだとルイス氏は解釈した。
ルイス氏はトランプ大統領の言及と関連して「北朝鮮のはるかに小さい措置と引き換えに一定の制限された制裁緩和を検討する上で、政府当局者たちの考えに変化があることを反映した発言のように見えた」と指摘、既存の「ビッグディール論」から変化があり得るとの解釈を示した。
また、金正恩国務委員長には核兵器を放棄する意思がないと見えるが、朝鮮との対話を継続する必要があると強調した。
ルイス氏は、北朝鮮の核・ミサイル実験中断及び一部核施設の廃棄意向表示が軍縮という目標には及ばないものの、制裁緩和や外交プロセスの持続という観点から捉えなければならないと指摘した。 そして軍縮も結局は東アジア安全保障システムの再構成という、より野心的な最終目標地点への一つの手段であると主張した。
ルイス氏は「トランプ大統領がこのように野心的なアジェンダを実現できるか想像するのは難しいが、核戦争をしないということが、それなりに良いスタートと成りえる」と強調した。
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