「朝鮮のIT技術力が、韓国などと比べて決して遅れを取らないとの結論を下した。 朝鮮を特殊な環境の『Apple(IT企業)』と見ることができると考えている」
韓国で朝鮮のスマートフォンを分析した論文が発表され、システムソフトウェア部門の技術力の高さが明らかになった。
リ・ヨンファン 前韓国富士通専務が最近、北韓大学院大学校で「北朝鮮のスマートフォンの技術的分析 – 平壌2423モデルを中心に – 」のタイトルで修士論文を発表した。
リ氏は韓国富士通に勤務し、数十年間ソフトウェア(SW)及びハードウェア(HW)分野のエンジニア、マーケティングの専門家、営業総括などで活動した。
彼は朝鮮のスマートフォン「平壌2423」、「平壌2418」などを直接入手して分析し、論文を作成した。
論文は、朝鮮が海外の部品とソフトウェアを入手して単純組み立てた式でスマートフォンを開発したのではないと指摘、朝鮮がハードウェアとソフトウェアを接続するシステムソフトウェア部門にかなりの技術力を備え、スマートフォンを開発しているとした。 また、朝鮮のスマートフォンに市場経済の要素が現れており、通信サービスのインフラストラクチャも体系的に構築されていると分析した。
論文は、朝鮮の移動通信産業と関連、「通信産業先進国の投資や国際援助なしで、朝鮮が自主的に移動通信産業を発展させている」という点を特徴として挙げ、朝鮮で3つのキャリアが運営されて複数のブランドのスマートフォンが発売されるなど、競争体制のシステムが導入されていると説明した。
また、移動通信を運営するのに使用されるシステムソフトウェアを独自開発運用しており、スマートフォンアプリ、セキュリティソフトウェア等を独自技術で開発、使用しているのも特徴だと指摘した。
論文は、朝鮮の移動通信の歴史と「アリラン」、「平壌」などのスマートフォンの発展過程を紹介、朝鮮が「朝鮮民族保険総会社」を介して携帯電話の保険制度を運営している事実を挙げた。
李氏は、朝鮮の「平壌2423」、「平壌2418」と韓国サムスン電子の「GALAXYーS4」を比較した。
論文は、朝鮮が2018年リリースした「平壌2423」のハードウェア仕様が2014年リリースのギャラクシーS4と同様だとしつつ、ギャラクシーS4ではAndroid 5.1が適用されたが、平壌2423ではAndroid 8.0が適用されたと説明した。
論文は「5年前に韓国で商用化されたハードウェア仕様製品(平壌2423)に、最新のオペレーティングシステム(OS)であるAndroidのバージョン8.0を搭載して商用化したという点に注目する必要がある。 ハードウェアとOSが問題なく動作するために安定性、相互運用性などを制御することができる技術力を保有してこそ、携帯電話の商用化が可能なため」と指摘、「特に、携帯電話の特殊なセキュリティ機能まで搭載することを考慮すれば、朝鮮はシステムソフトウェアに対する非常に高いレベルの技術力を保有していると見ることができる」と述べた。
また、「システムソフトウェアのノウハウと技術力の蓄積なしに、単純なハードウェア部品の組み立てやオペレーティングシステムなどのSW搭載だけでは携帯電話の商品化は不可能」と、朝鮮のスマートフォン開発が高い技術力をベースに行われていると指摘した。
李氏は、「私の道連れ」、「資料奉仕」など、朝鮮のアプリ10種の分析を論文に収録、朝鮮の複数のアプリで有料化、カード決済などが行われるなど、市場経済の要素が現れていると分析した。
論文は結論で、朝鮮が個人情報システム、金融決済システム、課金システムなどの通信サービスに関連するインフラストラクチャを構築し、それが問題なく動作しているという点に注目すべきだとした。
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