「経済開発区での特恵を保障」朝鮮、外資誘致に注力

朝鮮の金日成総合大学がホームページに「我が国での経済開発区の創設と特恵」というタイトルの文を掲載、朝鮮の経済開発区へ取り組みを紹介し、朝鮮が投資家に対しインターネットや移動通信などの国際通信を保障して出入国、税関簡素化などを約束する方針を出したことを明かした。

朝鮮の経済開発区は、経済開発区法に基づいて開発区が特に定めた法規に従い経済活動に対する特恵が保証される特殊な経済地帯とされる。

朝鮮は2013年5月29日に最高人民会議常任委員会政令3192号経済開発区法を採択公布し、2013年11月21日、最初、8つの道に13の経済開発区を創設すると宣言した。

2014年6月11日に元山 – 金剛山国際観光地帯が、2014年7月23日には6つの経済開発区、2015年4月22日に茂峰国際観光特区、10月8日にキョンウォン経済開発区が、2017年12月21日に江南経済開発区が創設された。

2019年現在、朝鮮は27の経済開発区を打ち出しているが、その機能に応じて総合型経済開発区と専門型経済開発区に区分している。

複数の機能を同時に実行する総合型経済開発区としては、鴨緑江経済開発区(平安北道)、満浦経済開発区(慈江道)、清津経済開発区(咸鏡北道)などが該当する。

また、工業、農業、観光、輸出加工、先端技術の開発などの専門的な機能だけを実行する専門型経済開発区としては、鉱業分野の清南工業開発区(平安南道)、渭原工業開発区(慈江道)、ヒョンドン工業開発区(江原道)を、農業分野の北青農業開発区(咸鏡南道)、漁郎農業開発区(咸鏡北道)、粛川農業開発区(平安南道)を、観光分野として清水観光区(平安北道)、新坪観光開発区(黄海北道)を、輸出加工分野として松林輸出加工区(黄海北道)、臥牛島輸出加工区(南浦市)、先端技術開発分野として恩情先端技術開発区などが該当する。

経済開発区の管理所属区分としては地域級と中央級に区分、道(直轄市)の人民委員会が管理する新義州国際経済地帯、康翎国際緑色模範区、恩情先端技術開発区、鎮島輸出加工区などの一部を除いては、ほとんどの経済開発区が地方級に属する。

経済開発区では、インフラストラクチャ建設部門と先端科学技術部門、国際市場での競争力の高い商品を生産する部門の投資を特に奨励し、インフラ施設と公共施設、奨励部門に投資する企業に対しては土地の選択で優先順位を付与して、定められた期間の土地使用料を免除する。

税金に関しては、経済開発区の企業所得税率は決算利潤の14%で、奨励する部門の企業所得税率は決算利潤の10%とし、開発区の中で10年以上運営する企業には企業所得税を軽減たり免除する。

また、投資家が利益を再投資して登録資本金を増資したり新しい企業を創設して5年以上運営する場合には、再投資分に該当する企業所得税額の50%を返金、インフラ建設部門に再投資する場合には、納付した再投資分に該当する企業所得税額の全額を返金するなど、開発企業の財産とインフラ設備、公共施設運営に税金を課さないとした。

朝鮮は、経済開発区で開発企業が観光業、宿泊業のような対象の経営取得で優先権を保証するとした。 観光関連分野を特に優遇するということだ。

金日成総合大学は、経済開発区で特恵関税制度が実施され、経済開発区建設のための材料および加工貿易、中継貿易、補償貿易を目的として輸入する材料、企業の生産や経営物資および製造した輸出品、投資家が使用する生活用品、その他、国が定めた材料には関税を賦課しないと説明した。

経済開発区での有利な投資環境を確保するためのパスの検査、税関、検疫分野で経済開発区に出入りする人的および材料の入出国と搬出入の簡素化を保障するとした。 特に国際慣例に従う通信料金に基づいたインターネット、固定電話、携帯電話等による国際通信を確保し、経済開発区に出入りする投資家と外国人の人的および財産に対する徹底した安全保障、経済開発区で投資家が合法的に取得した外貨、利益、その他所得の開発区外への制限のない振込、経済開発区内での外貨有価証券の自由流通などを法律で担保するという。

経済開発区で開発企業は、該当国土管理機関との土地賃貸借契約を結んで最高50年まで土地を賃貸でき、賃貸期間が終わる時に必要に応じて契約を再締結し土地を継続利用できるとした。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。