朝鮮が先週初めに「金剛山南側施設を撤去する人材を送らなければ、我々が直接撤去する」とする通告文を韓国に送り、韓国側が「我々が撤去する」と答申、「金剛山南側施設撤去問題と南側が元山葛麻海岸観光地区の開発に参画する方案を議論しよう」と提案したことが1日明らかになった。
朝鮮中央通信は11月11日、「金剛山開発問題は南側当局が全く関与するところではない」「施設の一方撤去措置を11日最後通牒した」と発信、それから十日ほど後、北側が期限を定めた通告文を南側に再度送り最後通告をしている。
これに対し、韓国政府は朝鮮側が定めた期限前に「金剛山南側施設を撤去する」とする返信を送り、「元山葛麻海岸観光地区の開発に南側が参加する案も一緒に議論しよう」と提案したかたちだ。
経年劣化のため全面改・補修が必要な金剛山南側施設の撤去と北側が推進している元山葛麻地区開発をリンクさせて議論することにより、南北関係修復と協力再開へのきっかけにしようというのが南側の言うところの「創造的解決策」だ。
これに対し朝鮮側はまだ何の反応も示していない。
北側はあわせて金剛山離散家族面会所も撤去するよう通知している。 ただし、離散家族面会所に対しては「南側が撤去しない場合は、直接撤去する」との言及がないため、金剛山離散家族の再会と離散家族面会所の補修の名分で対朝鮮制裁を迂回することで南北交流再開のきっかけを得たいと南側は考えているようだが、甘いと言わざるを得ない。
朝鮮側は金正恩国務委員長の指示で金剛山南側施設撤去後の開発のためにすでに設計作業に入ったとも言われている。
金国務委員長の指示に対し南側では当初、対米・対南圧迫用という分析が多かったが、今回の指示は、はじめから金剛山を独自開発する明確な目標を持って南側施設撤去を指示したと見るのが妥当だ。
金国務委員長は今年の新年の辞で、「我々は、開城工業地区に進出した南側企業人の困難な事情と民族の名山を訪れたいとする南側同胞の願いを察し、何の前提条件や対価なしに開城工業地区と金剛山観光を再開するための用意があります。 北と南が固く手を取り合って民族の団結した力に依拠するなら、外部のあらゆる制裁と圧迫も、どんな挑戦と試練も、民族繁栄の活路を開こうとする我々の行く手を妨げることはできないでしょう」と述べ、南側に機会と時間を与えた。
金剛山観光と開城工団はUN「経済制裁」ではなく南の前保守政権が科した「独自制裁措置」だ。 しかし韓国側は米国の顔色をうかがうあまりついに決断することができず、そのチャンスを自ら潰した。 それだけに、今更このような提案をするのは時すでに遅し、「覆水盆に返らず」といえる。
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