朝鮮で大型ローファームのHPが開設され注目を浴びている。
金日成総合大学内に位置する「龍南山法律事務所」がそれだ。
同事務所は、「国内機関、企業所、団体及び公民と外国法人、外国人から提起される様々な法律的な問題に対する弁護と法律上の幇助活動や、法律図書、プログラムなど各種の知的製品の執筆、開発、サービスをを行う総合的法律サービス機関」と位置づけている。
同事務所は、新たに開設されたHPを介してネットサービス加入者から提起されている法律代理、弁護、法律相談、法律文書や情報提供など様々な法律・知的サービスを提供する。
まず機関、企業所、団体との契約に基づいて、一定の期間、運用管理に関連して提起されるすべての法律的な問題を直接引き受け代理業務を行う。 機関、企業所、団体、公民の対内外的な部分的経営取引関係や一般の財産関係と関連した代理権を委任されて代理業務を行い、機関、企業所、団体と個別公民や外国法人と外国人から提起されている財産上と人身上の紛争に関与してその解決のために当事者の委任に基づき民事訴訟や国家仲裁および国際仲裁代理業務を行う。
また、当該機関の依頼と当事者の委任に基づいて私撰弁護業務も行う。
同事務所ではこのほかにも、HPを通じて国内機関、企業所、団体、公民と外国法人、外国人から提起されている様々な法律的問題についての相談に応じるサービスや、法律文書作成および情報提供、様々な法律・知的製品交流を行うとしている。
注目すべきは住民の財産トラブルに対する民事訴訟サービスを提供するという部分。
法律事務所が国内住民のための訴訟を手掛けるということは、経済改革によって朝鮮でも「私有財産」の概念が広まり、それに関連する法律サービスの需要が生じていると言うことだ。
また、朝鮮が大型法律事務所を設立して外国人も対象にした法律サービスの提供に乗り出したことは、外資誘致のための法的インフラ整備の一環と言える。
外国投資を誘致する際には大手法律事務所が手続きを代行して手数料を得るケースが一般的だが、龍南山法律事務所もこれを打ち出している。 「経済制裁」により当面は外国投資を受けられなくとも、来たるべき時に備えているという事をアピールする思惑があるとみられる。
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