「我々の前進を妨げるあらゆる難関を正面突破戦によって切り抜けていこう!」 金正恩朝鮮労働党委員長報告

朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会が、2019年12月28日から31日まで党中央委員会本部庁舎で開催され、金正恩委員長が党中央委員会政治局の委任によって総会を運営、執行した。

総会では、①醸成された対内外形勢の下で我々の当面の闘争方向について ②組織問題について ③党中央委員会のスローガン集を修正、補充することについて ④朝鮮労働党創立75周年を盛大に記念することについて の議案が提案された。

金正恩委員長が第1の議案に対する報告を行った。

金正恩委員長は、党中央委員会第7期第4回総会が行われた時からこれまでの8カ月間は非常に強度な闘いと果敢な前進の連続であったと述べ、朝鮮労働党がその間つねに人民の切実な要求と権益、国家の自主権と安全保障を中心に据えて正確な対内外政治路線を樹立して堅持し、それを貫徹するために絶えず闘ったことに言及した。

金委員長は、党中央は朝鮮革命の壮大かつ力強い前進途上に直面した主・客観的な障害と難関を全面的に深みのあるものに分析、評価し、社会主義建設をさらに促進させるための決定的対策を講じる趣旨から今回の総会を招集したと述べた。

金委員長は、現情勢と革命発展の要求に即して正面突破戦を展開することに関する革命的路線を明らかにした。

金委員長は、党中央委員会第7期第4回総会の決定貫徹のための緊張した闘いの中で、自立、自力を原動力とする我々の主体的な力が一層強化されたと評価して、自力更生の旗をより高く掲げて社会主義建設の一大高揚期を切り開こうという党のアピールに応えて我が国家と人民が難局に敢然と立ち向かって滔々と前進、飛躍していく強靭な気概と強大な潜在力を大きく誇示したことについて指摘した。

金委員長は、去る数カ月間、我々の前に逢着した挑戦は、他国なら一日も耐えられなくて退く過酷で危険極まりない大きな苦難であったが、いかなる困難も、強固な一体を成し屈することなく進む朝鮮人民の突進をとどめることも遅滞させることもできなかったし、国家の力、国防力の強化において大きな成果を絶えず備蓄したと述べた。

金委員長は「国防科学技術の先進国でのみ保有した先端兵器システムを開発する膨大かつ複雑なこの事業は、科学技術上の面において革新的な解決策を誰の助けもなしに我々自らが見い出すことを前提としたし、これら全ての研究課題は主体的力量、すなわち我々の頼もしい科学者、設計士、軍需工業部門の労働者によって完璧に遂行されました。

これは、偉大な勝利となり、党が構想していた展望的な戦略兵器システムが我々の手中に一つずつ握られるようになったのは朝鮮の武力発展とわれわれの自主権と生存権を守り、保証する上で大きな出来事となります。

先端国防科学のこのような飛躍は我々の軍事技術的強勢を不可逆のものにし、我が国力の上昇をこの上なく促進させるであろうし、周辺の政治情勢の統制力を向上し、敵には甚大かつ深刻な不安と恐怖の打撃を与えるでしょう。

今後、米国が時間稼ぎをすればするほど、朝米関係の決算を躊躇すればするほど予測しがたく強大になる朝鮮民主主義人民共和国の威力の前に無為無策でやられるしかなく、より一層行き詰まった境遇に陥ることになります。」と強調した。

金委員長は、経済建設分野でも一連の成果が収められたことについて言及した。

金委員長は現情勢の推移を分析、米国の本心は対話と協商の看板を掲げて曖昧な態度を取りながら自分らの政治的・外交的利益をむさぼると同時に、制裁を引き続き維持して我々の力を次第に消耗、弱化させることであると断言し、我々は国家の安全と尊厳、そして未来の安全を何かと絶対に交換しないことをさらに固く決心したと強調した。

金委員長は、米国が我が国家の根本利益に反する要求を掲げて強盗さながらの態度を取っているので朝米間の膠着状態は不可避に長期性を帯びることになっていると指摘、「近ごろ米国がまたもや対話再開問題をあちこちに持ち歩いて持続的な対話云々を出まかせに喋っているが、これは初めから対朝鮮敵視政策を撤回して関係を改善し問題を解決する用意があってではなく、四面楚歌の境遇で我々が定めた年末時限を難なく越して致命的な打撃を避けられる時間稼ぎをしようとすることだ」「対話を云々しながらも朝鮮を完全に窒息させ、圧殺するための挑発的な政治的・軍事的・経済的悪巧みをさらに露骨にしているのが白昼強盗である米国の二重的振る舞いである」と釘を刺した。

金委員長は、朝鮮は破廉恥な米国が朝米対話を不純な目的の実現に悪用することを絶対に許さず、今まで我が人民がなめた苦痛と抑制された発展の代価を奇麗に全部払わせるための衝撃的な実際行動に移ると述べた。

金委員長は「我々にとって経済建設に有利な対外的環境が切実に必要なのは事実であるが、決して華麗な変身を願って今まで生命のごとく守ってきた尊厳を売り払うことは決してできません。

世紀をまたいできた朝米対決は今日になって、自力更生と制裁との対決に圧縮されて明白な対決の図を描いています。

核問題でなくても米国は我々にまた他の何かを標的に定めて襲いかかるであろうし、米国の軍事的・政治的威嚇は限りがないでしょう。

米国との長期的対立を予告する当面の現情勢は、我々が今後も敵対勢力の制裁の中で生きていかなければならないことを既定事実化し、各方面で内部の力をより強化することを切実に求めています。」と指摘した。

金委員長は、自力強化の立場から見る時、国家管理と経済活動をはじめとする分野で正さなければならない問題が少なくないと指摘、自立、自強の壮大な偉業を牽引し促すには不十分であり、大胆に革新できず、沈滞している国家管理活動と経済活動など、現実態について分析した。

金委員長は、苦労と闘争がなければ偉大な勝利を得ることはなく、革命の勝利は必然であるが、いかなる障害も困難もなしに成し遂げられるのではないと強調、「敵対勢力の制裁圧力を無力化させ、社会主義建設の新しい活路を開くための正面突破戦を強行する必要があります。 正面突破前は、我々の革命の当面の任務に見ても展望的な要求に見ても、必ず実行する必要が時代の課題です。

もし、我々が制裁の解除を待って自強力を育むための闘いに拍車をかけないなら、敵の反動攻勢は一層激しくなり、我々の前進を阻もうと襲いかかるでしょう。 

我々が自らの威力を強化し、自力更生、自給自足の高価な富をより多く創造するほど敵はより一層大きな苦悩に陥ることになり、社会主義勝利の日はそれだけ早められるでしょう。

全ての党組織と活動家が、時代が付与した重大な任務を快く担って自力更生の威力で敵の制裁・封鎖策動を総破綻させるための正面突破戦に邁進せねばなりません。

『我々の前進を妨げるあらゆる難関を正面突破戦によって切り抜けていこう!』、これがこんにち、全党と全人民が掲げていくべき闘いのスローガンです。」と指摘した。

金委員長は、こんにちの正面突破戦で基本部門は経済部門であると述べ、国の経済土台を再整備し、可能な生産潜在力を最大に活用して経済の発展と人民の生活に必要な需要を十分に満たすことを現時期、経済部門に提起される当面の課題に提示した。

金委員長は、経済活動のシステムと秩序を整頓するための綱領的な課題を打ち出し、国家経済活動システムの中核である内閣責任制、内閣中心制を強化するための根本的な方途について明かした。 また、現実の要求に即して計画活動を改善するための明確な方案を探し、全般的な生産と供給のバランスを取り、人民経済計画の信頼度を画期的に高めるための要の問題を打ち出した。

金委員長は、内閣の活動はすなわち党中央委員会の活動であり、党中央委員会の決定執行はすなわち内閣の活動であることについて強調し、総会以後から経済活動に対する国家の統一的指導と管理を強化する上で早急に解決すべき重大な問題を解剖学的に分析、経済の発展を促し、活動家の役割を強められるように全般的な機構システムを整備するための革新的な対策と具体的な方案を打ち出し、それに基づいて経済管理を改善するための活動を強く推し進められる現実的な方途を明らかにした。

金委員長は、全党的、全国家的に強力に推し進めなければならない経済成長の要の問題に対する解決方向を明示し、人民経済の主要工業部門の課題を打ち出した。

金属工業、化学工業、電力工業、石炭工業、機械工業、建材工業、鉄道運輸、軽工業の各部門に山積している弊害と不振状態を全面的に分析し、経済活動に新たな前進をもたらすための科学的で実質的な対策を具体的に打ち出した。

金委員長は、国の経済を安定的に展望的に発展させるための10大展望目標の指標別計画を科学的に正確に打算して立て、それを遂行するための闘いを繰り広げて国の経済的土台を順序よく強固に打ち固めていかなければならないと述べた。

金委員長は、農業生産を画期的に増やすことについて強調し、科学・教育・保健医療事業を改善することに言及、こんにち、われわれが依拠すべき底知れない戦略資産は科学技術であると述べ、現在のように経済活動で隘路が多い時には科学技術が灯火となって前途を照らし、発展を先導しなければならないと指摘した。

金委員長は、教育革命の時代に合わせて国の教育を根本的に改善するための課題と方途を提起した。

金正恩委員長は、金日成主席と金正日総書記が築いてくれた世界で最も優れた我々の社会主義保健医療がその本態を守り、保健医療部門の物質的・技術的土台を強化し、全ての医療従事者を限りない人間愛と高い医学的資質を身に付けた労働党の赤い保健医療戦士に育てる上での重要な問題を提起した。

金委員長は、増産・節約と質向上運動を力強く繰り広げ、生態環境を保護し、自然災害防止対策を徹底的に講じることについて指摘した。

金委員長は、正面突破戦を政治的・外交的に、軍事的に裏付けることについて強調、前代未聞の過酷な挑戦と難関を切り抜ける正面突破戦で必ず勝利するには強力な政治的・外交的・軍事的保証がなければならないとし、現形勢に対処して外交戦線を一層強化するための方略を提起した。

金委員長は、朝鮮半島に醸成された峻厳な情勢と複雑多端な現国際関係構図を全面的に深く分析したことに基づいて、国家の自主権と安全を頼もしく保障するための攻勢的な措置を講じることに関する綱領的な課題を打ち出した。

金委員長は、米国は去る70余年間、朝鮮を敵として「悪の枢軸」「核先制攻撃対象」に規定して最も野蛮的で非人間的な制裁と持続的な核脅威を加えてきたし、米国の対朝鮮敵視政策によってこんにち、朝鮮半島の情勢はより危険で重大な段階に至っていると指摘した。

また、朝鮮が朝米間の信頼構築のために核実験と大陸間弾道ロケット試射を中止し、核実験場を廃棄する先制的な重大措置を取った過去の2年間だけでも、米国はこれに相当する措置で応えるどころか、大統領が直接中止を公約した大小の合同軍事演習を数十回も行い、先端戦争装備を南朝鮮に搬入して朝鮮を軍事的に威嚇したし、十余回の単独制裁措置を講じることで、圧殺しようとする野望には変わりがないことを再び世界に証明したと指摘した。

このような状況下で、守ってくれる相手もいない公約に我々がこれ以上一方的に縛られている根拠がなくなったし、これは世界的な核軍縮と拡散防止のための我々の努力にも水を差していると強調した。

金委員長は、現情勢は我々がすでに明らかにしたように、敵対勢力が朝鮮の自主権と安全にあえて手出しできないように我々の力を必要なだけ培って自身を守る道だけが、我々がつらくとも中断することなく、そして躊躇することなく歩むべき道であるということを実証していると述べ、朝鮮労働党の対米政策的立場を明白にした。

金委員長は、誰も手出しできない無敵の軍事力を保有し引き続き強化していくのは労働党の揺ぎない国防建設目標であると述べ、いかなる勢力であれ、我々を相手にして敢えて武力を使用する考えも浮かばぬようにするのが労働党の国防建設の中核的な構想であり、確固不動の意志であると言及した。

また、戦略兵器の開発もより活気を帯びて推し進めるべきであると述べ、米国の強盗さながらの行為によって、我々の対外環境が並進の道を歩む時も、経済建設に総力を集中するための闘いを繰り広げている今も全く変わったものがなく、依然として敵対的行為と核脅威・恐喝が増大している現実から、我々は可視的経済成果と幸福と安楽だけを見て未来の安全を放棄することができないと断言し、これから世界は遠からず、朝鮮民主主義人民共和国が保有することになる新しい戦略兵器を目撃することになるであろうと確言した。

金委員長は、「米国の本音を暴いた今になってまで米国の制裁の解除などに拘りいくらかの期待のようなものを持って躊躇する必要は一つもなく、米国が対朝鮮敵視政策を最後まで追求するなら朝鮮半島の非核化は永遠にない」ということ、「米国の対朝鮮敵視が撤回され朝鮮半島の恒久的であり強固な平和体制が構築されるまで、国家安全のために必須で先決的な戦略兵器の開発を中断することなく滞りなく進行していく」ことを断固として宣言した。

金委員長は、米国による核脅威を制圧し、我々の長期的な安全を裏付けられる強力な核抑止力の経常的動員態勢を恒常的に頼もしく維持するであろうし、我々の抑止力強化の幅と深度は米国の今後の対朝鮮立場によって上向調整されるということに言及した。

金委員長は、我が国に大国が保有した絶対兵器が生まれたのも大きな成果であるが、この過程を通じて科学技術の優れた人材陣容が育ったのがまたとなく嬉しく、これが我が党がより大事にする成果であると述べた。

金委員長は、国防科学研究部門と軍需工業部門で徹頭徹尾、自力とチュチェの原則を堅持する一方、すでに下達された段階別目標を達成するために、より高くより速くのスローガンを掲げて党の国防建設路線を忠実かつ完璧に支えなければならないと指摘、国防工業部門の活動家と科学者は、これまでの3年間厳しい闘いを繰り広げて核戦争抑止力を握りしめたその勢い、その気概通りに党と革命に対する変わらぬ忠誠心を抱いて国防力を全面的に固めていくための聖なる活動に邁進することについて強調した。

金委員長は、全党的、全国家的、全社会的に反社会主義、非社会主義の現象を一掃するための闘いを度合い強く繰り広げ、勤労者団体の活動を強化し、全社会的に道徳紀綱を強く立てることに関する問題を提起した。

また、革命の参謀部である党を強化しその指導力を非常に高めることに言及、時代と革命発展の要請に即して党を組織的、思想的に一層強化し、幹部の役割を強める上で提起される原則的問題と実践的対策を提起した。

金委員長は、「朝鮮革命は力強く前進しているが、これに反発する敵対勢力の挑戦は執拗でぶつかった難関も甘くない」と指摘、「革命の最後の勝利のために、偉大なわが人民が豊かに暮らすようにするために、我が党は再び厳しくて長きにわたる闘いを決心した」と強調した。

金委員長は「今日のこの社会主義運命の岐路での勝と敗の決定はただ、我が党の団結した威力とその指導的役割にかかっています。 我が党は断固と立ち向かって、米国とそれに追随する敵対勢力に引き続き甚大な打撃を加えるでしょう。 そして、いつも我が人民と苦楽を共にするでしょう。」と述べた。

金委員長は、「我が人民は、歴史がかつて知らない長期的な過酷な環境の中で自力で生きていく方法、敵と難関に打ち勝つ方法、自己の尊厳と権利を守る方法を学んだ」「困苦欠乏に耐えてでも、必ずや自力富強、自力繁栄を遂げて国の尊厳を守り、帝国主義に打ち勝つというのが我々の確固たる革命信念である」と明かした。

金委員長は、「我々皆が不屈の革命信念と烈火のような祖国愛、堅忍不抜の闘争精神で引き続き力強く闘うなら、難関は撃破され、『われら幸せうたう』の歌が全国の人民の実生活となる新しい勝利を迎えることになるであろう」と確言、「皆が革命の前に横たわる峻厳な難局を正面から突破し、社会主義強国建設の抱負と理想を実現するための今日の栄えある闘いで、先駆者、旗手となって勝利の進撃路を力強く切り開こう」と熱烈に呼び掛けた。

総会では、第1の議案に対する決定書の草案について慎重かつ積極的な研究討議が行われ、決定書が全会一致で採択された。

総会では、第2の議案である組織問題を取り扱い、党中央委員会の政治局委員、委員候補を召還および補欠選挙した。

総会では、第3の議案として党中央委員会のスローガン集を修正、補充することに関する問題を討議、決定した。

総会では、第4の議案として朝鮮労働党創立75周年を盛大に記念することに関する問題を討議し、当該の決定を採択した。

金委員長は総会を終えながら、今回の総会が当面の局面を正面突破し朝鮮革命を新たな高揚へ上昇させる上で持つ意義と重要性について指摘、「党中央委員会第7期第5回総会の基本思想、基本精神は、情勢が良くなることを座して待つのではなく、正面突破戦を展開しなければならないということです。

つまり、米国と敵対勢力が我々が楽に暮らすように放置するという夢は見てはならず、社会主義建設の前進途上に横たわった難関をもっぱら自力更生の力で正面突破しなければならないということです。

我々はこんにちの闘いで、客観的要因の支配を受けてそれに順応する道を探すのではなく、正面突破戦で切り抜けて客観的要因が我々に支配されるようにすべきです。」と強調した。

金正恩委員長は、党中央委員会第7期第5回総会が打ち出した課題貫徹のための全党的な受け付け・討議を実質的に行うべきとし、党政策を執行するための具体的な計画と正しい方法論を立て、実践的な対策を講じなければならないと強調した。

金正恩委員長は、革命家が革命を行うためには、我が人民から受ける高価な信頼を己が生の全てと見なさなければならないと述べ、我が人民のような立派な人民のためにひた走りに走り、忠実で勤勉な人民の僕になろうと熱烈に訴えた。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。