米化学大手のデュポン社が、日本が対韓輸出規制を強化した半導体・ディスプレー材料3品目の内の一つであるレジスト(感光材)の生産施設を韓国に設置する。
デュポン側は韓国内の子会社を通じ、1998年から天安にある二つの工場で半導体回路基板用の材料や部品を生産してきた。EUV用レジストなど次第に成長する市場を先取りするため、韓国への新たな投資を決めた。
韓国側は、日本政府が2019年7月に3品目の輸出規制を強化して以降、半導体材料などの供給を安定させるためにデュポンと接触して投資を働き掛けていた。 EUV用レジストは現在、主に日本メーカーからの輸入に頼っているが、デュポンの投資により供給元を広げられるようになった。
今回の投資は、韓国の主力産業である半導体製造に欠かせないレジストの供給元を多角化し、対日依存度を下げることに大きく寄与する事が期待される。
日本は昨年7月、レジストと高純度フッ化水素、フッ化ポリイミドの半導体・ディスプレー材料3品目について、韓国向け輸出規制を強化しており、日本産レジストは昨年1~5月の韓国の輸入額の9割以上を占めていた。
日本の経済産業省は12月20日、レジストの韓国向け輸出について、個別許可から特定包括許可の対象に変更する通達を出し、強化した規制を一部緩和したが、これは対韓輸出規制が自国企業に打撃となったことから、こうした措置を取ったとみられている。
韓国側は、主要な材料や部品に関する技術競争力確保と供給元の多角化に引き続き取り組んでいくと強調している。
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