朝米首脳会談は、開催自体が朝鮮の「勝利」だ。
6月12日、シンガポールでの開催が予定される(注:朝鮮からの公式発表はまだ行われず)朝米首脳会談について専門家たちが指摘している。
オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所の国際安全保障プログラムディレクターのユアン・グラハム氏は「朝鮮の狙いは、朝鮮がアメリカと対等の立場であると見せることだ。 朝鮮半島の外で(会談を)やることは朝鮮にとってプラスでしかない」「だからこそ、金正恩氏は空路で向かうリスクを受け入れたのだろう。 前例がないとはいえ、韓国が同席することなく、同じ核を持つものとしてトランプ大統領に会いたかったからだ。 彼にとっては象徴としてより効果的だ。」と語った
今回、朝米首脳会談開催地とされるシンガポールは、中立的で治安もよく国際会議の経験が豊富で、トランプ大統領も、自身が朝米間駆け引きの主導権を握りやすい条件と踏んでいる節がある。
しかし、そのような思惑や会談の成果にかかわらず、朝米首脳会談は朝鮮の大きな勝利になると釜山大学校のロバート・ケリー氏は分析する。
ケリー氏は「会談が失敗したとしても、朝鮮にとっては勝利だ。 アメリカ大統領と1対1で会う朝鮮の指導者の写真が手に入るのだから。」と指摘、「自由主義陣営のリーダーと会うことは、自動的に朝鮮の正当性のブランディングになる。 もしあなたが朝鮮人だったら、彼(トランプ大統領)らに会いたいと思うだろう。 なぜならそれは、発展の遅れた、封建的な、オーウェル的(全体主義国家的)な国ではなく、本物の国家であることを象徴するからだ。」と主張した。
朝鮮はアメリカに対し、長きにわたって対等の立場で向き合うことを望み要求してきた。 今回の朝米首脳会談は、朝鮮が望んだ国同士、さらに言えば「核保有国同士の対等な立場」で臨む歴史的会合といえる。
ちなみに、先の金正恩国務委員長の大連訪問を除けば、朝鮮のトップが空路で海外を訪れるのは、1986年、故・金日成主席がソ連を訪問して以来のことになる。
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