「脱北者」が「対北ビラ散布」を強行し朝鮮側がこれに強い不快感を示し警告を発した事と関連して、韓国当局が「脱北者」の妄動に断固として対応するという立場を明かした。
青瓦台(大統領府)関係者は4日午後、記者らとの会見で「対北ビラ散布」の規制について「表現の自由の侵害」という指摘も出ているという問いに対し、「対北ビラは実に百害無益なもの」と即答、「安全保障のための行為については、政府が断固として対応していくと知っている」と述べた。
また、統一部の呂尚基報道官は午前の定例会見で、朝鮮側が問題視している韓国内の「脱北者」団体による「対北ビラ散布」ついて「境界地域の国民の生命と財産に危険を招く行為は中止されるべきだ」とし、強制的にやめさせるための法案を検討中だと明らかにした。
2018年4月に南北首脳が合意した板門店宣言には「軍事境界線一帯で拡声器放送とビラ散布をはじめとする全ての敵対行為を中止し、その手段を撤廃する」と盛り込まれており、報道官は「ビラは『板門店宣言』に関する事項だっただけに、宣言を履行する意味で政府がそれ以前から準備を進めていた」と答えた。
報道官は、韓国政府はビラ散布がたびたび境界地域を緊張させる要素になって来た事例に注目し、散布をやめさせるための措置を取ってきたとしながら「散布されたビラの大半は国内で見つかっており、境界地域の環境汚染、回収の負担などで地元住民の生活環境を悪化させている」と指摘した。
韓国当局の素早い対応は、南北対話の断絶を避けたい政権の意向のあらわれと言える。
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