アメリカが核廃絶に逆行する動きを強めている。
ニューヨークタイムズ(NYT)の報道によると、米国防部とエネルギーが10日、サウスカロライナ州のサバナ・リバー原子力研究団地で、次世代核兵器の核心部品の開発計画を公開した。
この日はトランプ大統領が自身のTwitterで「朝米首脳会談6月12日シンガポール開催」を呟いた日でもあり、トランプ政権の支離滅裂振りが際立つ。
サバナ・リバーの核施設では、老朽化した核装備を数百の新しい核装備に置き換える作業が行われるとみられ、新型の「pit」(ピット)と呼ばれる核心部品が生産、換装されるものと思われる。
ピットは爆縮型核兵器において、核分裂性物質及びそれに取り付けられた中性子反射体、またはタンパーからなるコア(核心)のことで、桃や杏の堅い種にちなんで名付けられた。
今回発表されたピットはグレープフルーツ大の大きさで、その爆発力は広島に投下された原子爆弾の1000倍に達する。
アメリカは毎年80個ほどのピットを生産する方針で、サバナ・リバーの施設で50個、ロスアラモス国立研究所で30個生産するという。
これとは別件として、米下院軍事委員会傘下の戦略軍小委員会は、潜水艦発射型低強度核兵器の開発計画を承認した。
低強度核兵器は建前上は「威力を押さえ打撃範囲と人命被害を最小化する」核兵器だが、要は実際に使用可能な実戦型核兵器を製造配備すると言うことになる。
「朝鮮の非核化」を声高に要求しながら、自身は裏で核兵器を増強しようとしているアメリカのダブルスタンダードは決して見過ごせるものではない。 ましてや、アメリカはイランとの核合意も一方的に破棄して危険を煽っている。
アメリカは、今回の決定を「ロシアとの新たな軍備競争に対応する為のもの」としているが、このような動きは、アメリカに他国の核放棄を強要出来る資格がないことを示している。
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