朝鮮、核戦力政策に関する法令を発布

朝鮮民主主義人民共和国核戦力政策に関する最高人民会議の法令が8日、発布された。朝鮮中央通信が9日報じた。

法令によると、朝鮮は責任ある核兵器保有国として核戦争をはじめとするあらゆる形態の戦争に反対し、国際的正義が実現した平和な世界の建設を志向する。

朝鮮の核戦力は、国家の主権と領土保全、根本利益を守り、朝鮮半島と北東アジア地域で戦争を防止し、世界の戦略的安定を保障する威力ある手段である。

朝鮮の核態勢は、現存、進化する未来の全ての核脅威に能動的に対処できる頼もしく効果的で、成熟した核抑止力と防衛的かつ責任ある核戦力政策、伸縮性あって目的指向性ある核兵器の使用戦略によって保証される。

朝鮮が自己の核戦力政策を公開し、核兵器の使用を法的に規制するのは、核兵器保有国間の誤判と核兵器の濫用を防ぐことで、核戦争の危険を最大限に減らすことに目的を置いた。

最高人民会議は、国家防衛力の中枢である核戦力がその重大な使命を責任を持って遂行するようにさせるために、次のように決定するとした。

1.核戦力の使命

朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、外部の軍事的脅威と侵略、攻撃から国家主権と領土保全、人民の生命安全を守る国家防衛の基本的力量である。

1)朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、敵対勢力に朝鮮民主主義人民共和国との軍事的対決が破滅を招くということをはっきりと認識させ、侵略と攻撃企図を放棄させることで、戦争を抑止することを基本使命とする。

2)朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、戦争抑止が失敗する場合、敵対勢力の侵略と攻撃を撃退し、戦争の決定的勝利を達成するための作戦的使命を果たす。

2.核戦力の構成

朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、各種の核爆弾と運搬手段、指揮およびコントロール・システム、その運用と更新のための全ての人員と装備、施設で構成される。

3.核戦力に対する指揮統制

1)朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、朝鮮民主主義人民共和国国務委員長の唯一的指揮に服従する。

2)朝鮮民主主義人民共和国国務委員長は、核兵器に関連する全ての決定権を持つ。

朝鮮民主主義人民共和国国務委員長が任命するメンバーで構成された国家核戦力指揮機構は、核兵器に関連する決定から実行に至る全過程で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長を補佐する。

3)国家核戦力に対する指揮統制システムが敵対勢力の攻撃によって危険に瀕する場合、事前に決った作戦方案に従って挑発原点と指揮部をはじめとする敵対勢力を壊滅させるための核打撃が自動的に、即時に断行される。

4.核兵器使用決定の実行

朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、核兵器使用命令を即時に実行する。

5.核兵器の使用原則

1)朝鮮民主主義人民共和国は、国家と人民の安全を重大に脅かす外部の侵略と攻撃に対処して最後の手段として核兵器を使用することを基本原則とする。

2)朝鮮民主主義人民共和国は、非核国が他の核兵器保有国と結託して朝鮮民主主義人民共和国に反対する侵略や攻撃行為に加担しない限り、これらの国々を相手にして核兵器で威嚇したり、核兵器を使用しない。

6.核兵器の使用条件

朝鮮民主主義人民共和国は次の場合、核兵器を使用することができる。

1)朝鮮民主主義人民共和国に対する核兵器、またはその他の大量殺りく兵器による攻撃が強行されたり、差し迫ったと判断される場合

2)国家指導部と国家核戦力指揮機構に対する敵対勢力の核および非核攻撃が強行されたり、差し迫ったと判断される場合

3)国家の重要戦略的対象に対する致命的な軍事的攻撃が強行されたり、差し迫ったと判断される場合

4)有事に戦争の拡大と長期化を防ぎ、戦争の主導権を掌握するための作戦上、必要が不可避に提起される場合

5)その他の国家の存立と人民の生命安全に破局的な危機を招く事態が発生して核兵器で対応せざるを得ない不可避な状況が生じる場合

7.核戦力の経常的な動員態勢

朝鮮民主主義人民共和国の核戦力は、核兵器の使用命令が下達されれば、任意の条件と環境でも即時に実行することができるように経常的な動員態勢を維持する。

8.核兵器の安全な維持管理および保護

1)朝鮮民主主義人民共和国は、核兵器の保管・管理、寿命と性能の評価、更新および廃棄の全ての工程が行政的・技術的規定と法的手順通りに行われるように、徹底して安全な核兵器保管・管理制度を樹立し、その履行を保証する。

2)朝鮮民主主義人民共和国は、核兵器と関連技術、設備、核物質などが漏出しないように徹底した保護対策を立てる。

9.核戦力の質・量的強化と更新

1)朝鮮民主主義人民共和国は、外部の核脅威と国際的な核戦力態勢の変化を恒常的に評価し、それに応じて核戦力を質・量的に更新、強化する。

2)朝鮮民主主義人民共和国は、核戦力がその使命を頼もしく果たせるように相異なる状況に応じた核兵器の使用戦略を定期的に更新する。

10.拡散防止

朝鮮民主主義人民共和国は、責任ある核兵器保有国として核兵器を他国の領土に配備したり共有せず、核兵器と関連技術、設備、兵器レベルの核物質を移転しない。

11.その他

1)2013年4月1日に採択された朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議の法令「自衛的核保有国の地位をいっそう強固にすることについて」の効力をなくす。

2)当該機関は法令を実行するための実務的対策を徹底的に立てる。

3)この法令の任意の条項も、朝鮮民主主義人民共和国の正当な自衛権行使を拘束したり、制限したりするものに解釈されない。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。