M.K通信 (100)朝鮮の“食糧難”喧伝する尹錫悦政権の稚拙なプロパガンダ

朝鮮労働党中央委員会第8期第7回全員会議拡大会議が2月26から開かれていることと関連して、米国と韓国の尹錫悦政権は、朝鮮の食糧難を云々する極めて悪質かつ幼稚で稚拙なプロパガンダを繰り広げており、日本のマスコミもこれに追従している。

韓国の国家安全保障会議(NSC)が、朝鮮では「食糧難で餓死者が続出している状況」(18日)と公式に言及したのがその最たるものだ。

「餓死者」にまでエスカレートしている「食糧難」プロパガンダは、昨年から始まった、朝鮮は「経済的困窮をよそにミサイル開発を強行している」との、米国が示した反朝鮮プロパガンダの方向に準じたもの。 裏付ける根拠は何もなく机上の作文に過ぎない。

朝鮮の核抑止力向上、順調に進む経済建設による対朝鮮敵対政策の失敗を覆い隠し世論を欺瞞するところに主な目的がありそうだ。

目的は安定的で持続的な農業発展

現在開催中の朝鮮労働党の会議の基本的目的は、「今年の穀物生産目標を成果的に達成し、ここ数年の間に農業生産で根本的変革を起こし、安定的で持続的な農業発展の土台を築く上で解決すべき当面の課題と科学的な展望と目標、実現可能性が担保された方法を探すこと」(金正恩総書記、「労働新聞」2.27)にある。

また会議では、人民経済遂行計画を順守する規律を確立する問題、国家財政金融事業を改善するうえで提起される当面の問題なども議題になり討議されている。

このように会議の基本目的と討議されている議題は、米韓がでっち上げた「食糧難」から縁遠い。

近年朝鮮の農業は、インフラの構築、性能の良いトラクターの生産と導入などの機械化、肥料の自立化が進み、度重なる自然災害にもかかわらず順調で、穀物生産は安定している。 穀物生産量は2019年の600余万トンをはじめ500~600万トンを推移している。 自給自足できる穀物生産量だが、朝鮮が目標に掲げているのはコメが有り余る穀物生産と畜産、水産の発展、それにともなう食生活の質の向上である。 昨年からコメとコムギを柱にする穀物生産の構造変化を推進しているのもこのためだ。

朝鮮労働党の会議はこのような流れを促進する科学的に担保された決定的な契機を作るために召集されたもので、韓国側が血眼になって喧伝する「餓死」とは縁遠く、自給自足できる穀物生産の安定的で持続的な農業発展が目前の課題になっていることを示している。

米国と韓国の尹錫悦政権による「餓死」プロパガンダは、朝鮮労働党会議の討議を無視、歪曲して無理矢理に強行している実に幼稚で稚拙なプロパガンダと言わざるを得ない。

荒唐無稽な嘘

穀物はどの国でも秋に収穫されるが、朝鮮でも昨年秋に数百万トンの穀物が収穫された。 当たり前のことを強調したのは、昨年秋に穀物を収穫した朝鮮で数か月しか経っていない今年の1~2月に、けっして起こりえない「食糧難」が起こっているとプロパガンダされているためだ。

米韓が熱を上げ、日本のマスコミが追従している「食糧難」「餓死者」プロパガンダがいかに稚拙で荒唐無稽なでっち上げであるかはこの事実一つをもってしてもあまりにも明らかだ。

韓国側のプロパガンダが根拠のない幼稚で稚拙なでっち上げであることは政府機関の発表に根拠がないだけではなく、食いちがっていることに表れている。

韓国の統一部長官は当初、「北の食糧難」を云々しながら、「餓死者が続出している程度ではない」(15日)と述べていた。 これは昨年秋に穀物を収穫したばかりで、「餓死」を云々することには無理があるとの判断に基づくもので、「食糧難」は「分配」の問題が「原因」などと意味不明な説明をくりかえしていた。

だが、その三日後の18日に韓国の国家安全保障会議(NSC)は「深刻な食糧難で餓死者が続出している状況」と発表した。 認識の違いについて記者の質問を受けた統一部側は「一部地域で餓死者が続出」と苦しい言い訳に終始せざるを得なかった。

もう一例をあげれば、統一部長官が国会外交統一委員会で「世界食糧計画(WFP)に北側が食糧支援を要請」した(15日)と述べ、朝鮮の「食糧難」を印象付けようとした。 これに対して、WFPスポークスマンは17日、「食糧支援要請は受けなかった」(VOA)と否定、統一部長官の国会での答弁が真っ赤な嘘であることが白日にさらされる始末。

WFPに否定され慌てた統一簿当局者は、北が「支援を要請した状況を確認」したと述べた。 WFPそのものが否定しているのに、「支援を要請した状況を確認」とは何を指すのか? 全く意味不明な逃げ口上に過ぎないことは明らかだ。 恥ずかしくもなく詭弁を弄している尹錫悦政権は、果たしてまともな政権なのか、疑問すら沸いてくる。

韓国のもと政府高官が「大統領室の対北朝鮮強硬派が安全保障危機の責任を北朝鮮に転嫁するために、北朝鮮の慢性的食糧難を誇張・悪用しているようだ」と嘆かざるをえなかったのも偶然ではあるまい。

愚民化される米国村の住民

嘘は小さくつくのではなく大きな嘘が必要であり、その内容が衝撃的であるほど人々は信じる。 とは、ナチスを模倣した米国の政策立案者の主張だ。 このためか朝鮮の「食糧難」を流布するには「餓死者続出」という“衝撃”が必要と判断されたのか?

しかし米国の嘘が通じるのは、米国および米国と主従関係にある「同盟」が住む井戸の中の話だ。

自国民と隷属した「同盟国」の国民を騙す目的は明らかだ。 「餓死者続出」という“衝撃的な大きな嘘”で、世論の目先を朝鮮の核高度化からそらして、対朝鮮敵対政策の失敗、破綻を覆い隠すことにある。

朝鮮を非核化し武装解除させ現政権を打倒することに主眼がある核心政策である制裁は機能しており必ず成功するといいたのであろう。

これを信じてやまないのは、米国と属国が集う井戸の中に住む米国村の住民だけであることを知るべきであろう。

米国の荒唐無稽な嘘に洗脳、愚民化されていることに一体いつ気づくのか。

米国村を外から眺めている人々はその孤島無形さにとっくに気が付いているのだが・・・。(M.K

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。