「蚊帳の外」は日本自身が自ら招いた問題=専門家指摘

朝鮮半島の南北和解が加速し朝米首脳会談の実現が急展開を見せる中、「蚊帳の外」に置かれて焦りを隠せない日本政府は、途絶えた朝鮮との外交チャンネルを復旧させるのに躍起だ。 しかし、現在日本が置かれた状況は自らの判断が招いたものと、ロシアの専門家は指摘する。

アレクサンドル・パノフ元駐日ロシア大使は「朝米首脳会談で中距離弾道ミサイルに関する自らの懸念がむしされると日本は危惧している。 このミサイルは日本に届く性能を持つにもかかわらず、朝鮮国内とにまだ残っていることを日本は懸念している。拉致被害者問題がこのまま解決されないのではないかとの心配もある。 解決されなければ、国内での安倍首相の立場は大きく揺さぶられる可能性がある。 これが早急に朝鮮との外交的な対話フォーマットに戻りたいと言う日本側の焦りを引き起こしている」と指摘している。

トランプ大統領が「アメリカ第一主義」を掲げ、自国の国益実現を最優先していることは周知の事実。 そこに同盟国の利益はない。 アメリカは朝鮮の核とICBMを懸念しているが、日本の言う「中距離弾道ミサイル」と「拉致問題」は眼中にない。

ロシア科学アカデミー東洋学研究所のアレクサンドル・ボロンツォフ朝鮮・モンゴル部長は次のように語っている。

「朝鮮との6者会合で日本は建設的な立場を取らなかった。 拉致被害者問題を全力で国際的なモノにしようとした。 これは、朝鮮と日本の極めて二国間的問題であるにもかかわらずだ。 しかし、日本の米国への近さが考慮され、日本はこの問題を6者会合にねじ込むことには成功した。 しかし今、拉致被害者問題は朝鮮半島における核不拡散という世界的な問題解決への道筋に大きくブレーキをかけるものになっている。 この問題はもはや、以前のような米国側の同意を得ることはないだろう。」
要は日本が朝鮮との対話で「蚊帳の外」に置いてけぼりにされていると言う事実は、日本自身が「自ら作り上げた問題」、自業自得だと言う指摘だ。
ロシアのスプートニク通信は、「日本政府は実質的に、自らの手で朝鮮との外交上の真空地帯に追いやった。 何故なら過去10年近く、日朝関係において制裁以外に建設的な案を何も提案しなかったためだ。 ある時までこれは米国にとっても全く問題がなかった。 しかし今トランプ氏は、金正恩氏と世界にとっての偉大なディールを締結する熱意に満ちている。朝鮮半島非核化に向けた今後の国際的な努力に、日本は本格的に参加することはできるのだろうか?」と疑問を呈している。
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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。