金正恩委員長は20日、朝鮮労働党中央委員会第7期3回全員会議を招集し、「経済建設と核武力建設併進路線の偉大な勝利を宣布するにあたって」という決定書を採択した。
決定書では「我が国に対する核威嚇や核挑発がない限り核兵器を絶対に使用しないし、いかなる場合でも核兵器と核技術を移転しない」とし、21日から核実験と大陸間弾道ロケット試験発射を中止することを発表、朝鮮半島と世界の非核化へ望む意思を鮮明にした。
これと同時に決定書では「国の人的物的資源を総動員して強力な社会主義経済を築き上げ、人民生活を画期的に高める為の闘争に全ての力を注ぐ」「社会主義経済建設のための有利な国際環境を醸成して、朝鮮半島と世界の平和と安定を守るため周辺国や国際社会との緊密な連携や対話を積極化して行く」とした。
これは戦略核兵器が完成したからこそなしえる方針転換といえる。
ここ十数年間、朝鮮は度重なる自然災害や経済制裁を受ける苦しい環境の中、「先軍政治」を全面に打ち出しながら、政治思想強国、軍事強国、経済強国の建設を同時に推し進めてきた経緯がある。 2013年には軍事と経済建設の並進路線を明示、その戦略に沿って国家建設を進めてきた。 政治思想的には「チュチェ思想」を根幹にした揺るぎない体制を築き上げ、軍事的には2017年末に自衛の為の戦略核兵器が完成、先の2つの目標を達成した今、残るは社会主義経済の発展人民生活の向上と言うわけだ。
元々朝鮮は豊富な地下鉱山資源と高い労働生産力を持つ。今まで軍事建設に割かれてきた人的物的資源を経済建設に回すことができるようになる上、外国からの資本・技術提携が入ってくれば、その潜在能力は計り知れない。
朝鮮のこのような措置は、当然、周辺関係諸国との関係性を大きく変えるものとなる。
朝米首脳会談を控えたトランプ大統領はツイッターで「大きな前進だ。首脳会談が楽しみだ」と評価、朝米首脳会談で画期的な展開が起こりうることを示唆している。
朝米関係が改善されれば、アメリカの顔色をうかがってきた西側諸国も挙って平壌詣でを始めるであろうし、経済交流も飛躍的に拡大化して新しい市場が生まれてくるのは明白。しかし、今のままでは、日本だけが取り残される形になるのは必至だ。
日本もそろそろ、「馬鹿の一つ覚え」のスタンスを変えた方がいいのではなかろうか。
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