韓国で統一地方選挙が13日行われ、文在寅大統領の出身政党である与党「共に民主党」が、17の広域自治体首長選でソウル市等14カ所を抑え勝利した。
最大野党の「自由韓国党」は慶尚北道と大邱市の2カ所のみの大惨敗となった。
1995年に初の地方選が実施されて以来、与党の「史上最大の圧勝」、野党の「史上最悪の惨敗」だ。
特記すべきは、保守色が強く、過去の保守政権与党を支えてきた慶尚南道と釜山市で、民主党系が完全勝利したこと。 これは地域主義が根強い韓国政治史の「一大事変」といえる。
今回の選挙は2017年5月の文在寅政権発足後初の全国規模選挙で、政権に対する実質上の「中間評価」の意味合いが強い選挙だっただけに、これに勝利したことで名実ともに李明博、朴槿恵と続いた保守政権からの「政権交代」を達成した事になる。
与党圧勝の背景には、朝鮮半島の平和に向けた政権の姿勢と取り組みを一定評価する民心がある。 民意を得たことで文在寅大統領は「朝鮮半島平和体制構想」をより着実に進める事が出来るようになった。
過去の歴代保守政権は選挙時に対北謀略事件、いわゆる「北風」を起こし、それをバックに選挙戦を戦い政権を維持・運営してきた経緯がある。 今回の文政権の場合はまさに「平和の北風」に乗ったといえる。
民主党は地方選と同時に実施された国会議員の再・補欠選でも全国の12選挙区のうち、候補を擁立しなかった1選挙区を除く11選挙区で全勝した。
区長など基礎団体長選も226カ所のうち、151カ所で勝利し、韓国党(53カ所)を大きく上回った。ソウル市の区長選の場合、25区のうち瑞草区を除く24区で民主党が勝利した。
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