米朝関係日誌(1994年~)

1994年 6月 カーター元米国大統領訪朝、金日成主席と会談
7月8日 金日成主席逝去
10月21日 朝米枠組み合意発表。

主要条項

  • 朝鮮の5MW黒鉛減少炉と建設中の50MWおよび200MW原子炉を、2003年を目処に2基の1000MW軽水炉に置き換える
  • 最初の軽水炉が完成するまでの間、朝鮮が原子炉を停止し追加の建設を中断する代わりに、アメリカは暖房および発電用の重油を供給する。供給量は毎年50万トンとする
  • 朝米双方とも政治的
  • 経済的関係の完全な正常化に向けて行動する
  • アメリカは保有する核兵器を朝鮮に対して使用せず脅威を与えないと確約する
  • 朝鮮は1992年の朝鮮半島の非核化に関する共同宣言を履行する手段をとる
  • 朝鮮はNPT条約(核拡散防止条約)に留まる
  • 凍結されない核施設については、IAEA(国際原子力機関)の通常および特別査察を再開する
  • 朝鮮が現在保有する使用済み核燃料は朝鮮国内で保管し、再処理することなく完全に廃棄する
  • 軽水炉の主たる装備品が納入されるまでに、朝鮮はIAEAとの保障措置協定の完全合意に達する
1995年 3月 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)発足
1997年 8月21日 軽水炉建設着工
2000年 6月19日 アメリカが対朝鮮経済制裁緩和措置を発表
7月10日~12日 第五回朝米ミサイル会談(クアラルンプール)
7月19日 朝米関係改善会談(ベルリン)
7月28日 朝米外相会談(バンコク)
8月9日~10日 朝米会談(平壌)
9月28日~30日 朝米統合議題会談(ニューヨーク)
10月6日 国際テロに関する朝米共同声明発表(平壌―ワシントン)
10月9日~12日 趙明録国防委員会第一副委員長が特使として訪米、朝米共同コミュニケ発表
10月23日~25日 オルブライト米国務長官訪朝
11月1日~3日 第6回朝米ミサイル会談(クアラルンプール)
2001年 1月20日 ブッシュJr政権発足
5月12日 アメリカ、世界食糧計画(WFP)の要請により朝鮮に10万トンの食糧支援決定
5月16日 朝鮮、「朝米基本合意文による軽水炉建設延期に対する詳報」
核凍結解除の可能性示唆、電力保証を要求
6月7日 ブッシュ大統領「包括的接近」枠組みによる対話再開声明発表
6月13日 リ・ヒョンチョルUN駐在朝鮮代表部大使とプリチャード朝鮮半島平和会談特使が初準備接触
6月18日 朝鮮外務省報道官談話、電力損失補償議題を提示
2002年 1月30日 ブッシュ大統領、「悪の枢軸」発言
1月31日 朝鮮外務省報道官声明、「宣戦布告」と非難
2月22日 朝鮮外務省報道官談話、対話拒否見解を表明
3月13日 朴吉淵UN駐在大使とプリチャード大使が接触(ニューヨーク)
3月20日 朴吉淵UN駐在大使とプリチャード大使が接触(ニューヨーク)
4月3日~6日 林東源大統領特使訪朝、金正日委員長、プリチャード大使の訪朝受け入れ
4月30日 ホワイトハウス声明、「朝米対話開始の準備を通報」
6月14日 朴吉淵―プリチャード接触(ニューヨーク)
6月27日 アメリカ、ケリー国務省東アジア太平洋次官補の訪朝計画を通報
6月29日 西海武力衝突
7月2日 アメリカ、特使訪朝計画撤回
7月26日 朝鮮、特使の積極的受け入れを表明
7月31日 白南淳外相―パウエル国務長官会同
8月28日 バウチャー国務省報道官、特使の訪朝再推進方針を確認
9月23日~24日 朝米ニューヨーク接触
10月3日~5日 ケリー国務省次官補、大統領特使として訪朝、物別れ
11月15日 KEDO理事会、重油提供中断合意
12月12日 朝鮮、核施設の監視カメラ除去開始
12月27日 朝鮮、IAEA査察官の国外退去発表
2003年 1月10日 朝鮮、NPT条約脱退を再表明
4月23日~25日 朝米中3者協議開催(北京)
7月31日 朝米接触(ニューヨーク)、朝米中の3国に韓国、ロシア、日本を加えた6者協議の開催を合意
8月27日~29日 第1回6者協議(北京)
12月 KEDO、軽水炉建設中断
2004年 1月6日~10日 アメリカの各専門家訪朝
2月25日~28日 第2回6者協議(北京)
6月23日~25日 第3回6者協議(北京)
2005年 1月8日~11日 ラントス下院議員訪朝
2月10日 朝鮮外務省、「自主防衛のための核抑止力」として核兵器保有を宣言
6者協議への参加を無期限中止すると声明
5月31日 ブッシュ大統領、記者会見で金正日総書記に「ミスター」の敬称をつける
6月3日 朝鮮外務省、6者協議の雰囲気作りに寄与すると評価
7月26日~8月7日 第4回6者協議1次段階(北京)
9月13日~19日 第4回6者協議2次段階(北京)、共同声明発表
11月9日~11日 第5回6者協議1次段階(北京)、議長声明発表
2006年 10月9日 朝鮮、核実験成功
12月18日~22日 第5回6者協議2次段階(北京)
2007年 1月16日~18日 朝米6者協議主席代表会談(ベルリン)
1月30日~31日 朝鮮に対するアメリカの金融制裁を巡る朝米実務者会合
2月8日~13日 第5回6者協議3次段階(北京)、共同文書採択
3月1日 金桂冠寛外務次官、朝米国交正常化に関する作業部会のため訪米
3月5日~6日 朝米国交正常化に関する作業部会
3月13日~14日 IAEAエルバラダイ事務局長訪朝
3月19日~21日 第6回6者協議(北京)
5月31日 KEDO、軽水炉計画断念
7月13日 朝鮮人民軍板門店代表部代表談話、UN代表が参加する朝米軍事会談提議
9月1日~2日 第2回朝米関係正常化実務グループ会議(ジュネーブ)
10月4日~17日 朝鮮テコンドー代表団米国巡回公演
10月9日 朝鮮、核実験実施
10月20日~11月3日 朝鮮ボクシング代表団、第14回世界ボクシング選手権大会参加(シカゴ)
10月31日 金桂寛外務次官―ヒル米6者協議主席代表会同
11月19日~20日 朝米金融実務会議(ニューヨーク)
2008年 2月26日 ニューヨークフィルハーモニック平壌公演
10月11日 朝米、朝鮮の核開発計画再凍結と査察官の科学的捜査受け入れを合意
アメリカ、朝鮮をテロ支援国家リストから削除
2009年 1月20日 オバマ政権発足
4月5日 朝鮮、人工衛星発射
4月14日 朝鮮外務省、UN安保理議長声明に反発、核兵器開発再開と6者協議からの離脱を表明
5月25日 朝鮮、2度目の核実験実施を発表
8月4日 クリントン元大統領訪朝、金正日総書記と会談
2010年 8月2日 朝鮮外相、訪問先のインドネシア外相との会談で「平等な立場なら6者協議に復帰する用意がある」と示唆
8月30日 米財務省、対朝鮮追加制裁を発表
9月28日 金正恩氏が朝鮮労働党代表者会で党中央委員に選出、党中央委員会総会で党中央軍事委員会副委員長に選出
10月10日 金正恩氏、朝鮮人民軍大将に昇進
12月 リチャードソン米ニューメキシコ州知事訪朝
2011年 10月24日 金桂寛第1外務次官、ボズワース朝鮮政策特別代表、「核問題を巡る朝米協議」
12月16日 李根外務省米州局長とキング朝鮮人権特使がアメリカ大使館で意見交換(北京)
12月17日 金正日総書記逝去
2012年 2月29日 朝鮮、核実験と長距離ミサイル発射実験、ウラン濃縮の凍結を発表
3月16日 朝鮮、「光明星3号」の打ち上げを発表
8月 ラッセル大統領特別補佐官訪朝
12月11日 朝鮮、ロケット打ち上げ実験成功
2013年 1月7日 グーグル会長訪朝
1月24日 朝鮮国防委員会、「高次元の核実験は朝鮮人民の絶対的な敵であるアメリカが標的である」と表明
2月26日 元NBAスタープレイヤーのデニス・ロッドマン訪朝
2月12日 朝鮮、3回目の核実験実施
3月29日 金正恩委員長、「ロケットは太平洋の米軍基地を攻撃する準備ができている」と宣言
4月18日 朝鮮、ワシントンD.C.またはソウルでの対話条件として、UN制裁停止と米韓合同軍事演習の終了を要求
9月 ロッドマン訪朝
12月 ロッドマン訪朝
2014年 1月8日 ロッドマン訪朝、バスケットボール親善試合開催
2016年 1月 朝鮮、核実験実施
9月 朝鮮、核実験実施
2017年 1月20日 トランプ政権発足
2月12日 朝鮮、「北極星2号」を発射
5月1日 トランプ大統領、「適切な条件の下であれば金正恩委員長と会談する」とインタビューで発言
5月8日~9日 崔善姫北米局長と米元政府高官が非公式接触(オスロー)
5月14日 朝鮮、「火星12」を発射
6月2日 UN安保理、アメリカの主導の下対朝鮮制裁強化決議を可決
6月13日 ロッドマン訪朝
7月4日 朝鮮、「火星14」を発射
7月28日 朝鮮、「火星14」を発射(2回目)
8月5日 UN安保理、アメリカの主導の下対朝鮮追加制裁強化決議を可決
8月29日 朝鮮、「火星12」を発射(2回目)
9月3日  朝鮮、水爆実験実施
9月15日 朝鮮、「火星12」を発射(3回目)
9月20日 トランプ大統領、UN総会一般演説で朝鮮と指導部を非難
9月21日 金正恩委員長、「我が国家と人民の尊厳と名誉、そして、私自身のすべてをかけて、我が共和国の絶滅をのたまった米国統帥権者の妄言に対する代価を、必ずもらい受けるであろう」「米国の気狂い老いぼれを、必ずや、炎で制するであろう」と声明で警告
9月30日 ティラーソン米国務長官、米朝が直接接触できる経路を持っていると明かす
11月11日 米空母3隻、東海で軍事演習強行
11月20日 アメリカ、朝鮮を「テロ支援国家」に再指定
11月29日 朝鮮、「火星15」を発射、「国家核武力完成の歴史的大業、ロケット強国偉業の完成」を宣言
12月12日 ティラーソン国務長官、「朝鮮との最初の対話を無条件にすることも可能」と発言、ホワイトハウス、マクマスター安保問題担当補佐官がこれを修正
12月18日 アメリカ、国家安全保障戦略で朝鮮を「ならず者国家」と断定
12月22日 UN安保理、対朝鮮制裁強化決議を可決
2018年 1月1日 金正恩委員長、新年の辞で「米国本土全域が我らの核打撃射程圏内にあり、核のボタンが私の事務室の机上にあることが、決して威嚇ではなく現実であるということを確り受け止めねばならない」と発言
1月16日 アメリカの呼びかけで、朝鮮戦争時UN軍派遣国を中心とした外相会議
(バンクーバー)、「冷戦回帰」と反発する中露を尻目にUN安保理決議を
超えた独自制裁を検討
2月10日 平昌冬季オリンピック開会式に朝鮮から金永南最高人民会議委員長、金与正
党第一副部長が参席、ペンス米副大統領も参席するも5分で退席逃亡
2月25日:
3月8日 大統領特使代表団として訪朝した韓国の代表団、ホワイトハウスで朝米首脳が5月までに会談を行うと発表
3月10日 トランプ大統領、ペンシルバニア州集会で「僕は素早く立ち去るかもしれないし、あるいは対話の席に着いて、世界にとって最高の取引に成功するかもしれない」と首脳会談に言及
3月21日 米ホワイトハウス、HPで朝鮮を正式名称で表記
4月9日 金正恩委員長、朝鮮労働党中央委員会政治局会議で当面の南北関係発展方向と朝米対話の展望について分析評価、今後の国際関係方針と対応方向を提示
同日、トランプ大統領、朝米会談開催時期について「5月または6月初旬に開く」
「朝鮮の非核化について合意できるよう望む」と発言、成功への意欲示す
スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。