フィリピン、朝鮮との関係強化に前向き

フィリピンの政権与党「PDPラバン」の副代表であるクシ エネルギー庁長官が16日、「PDPラバンは朝鮮ともっと近い関係を形成するために役割を果たす準備ができている」と発言、近いうちに平壌に代表団を派遣して朝鮮労働党関係者と面談する計画だと明かした。

クシ長官は「PDPラバンの海外協力担当副代表であるラムバノ大統領補佐官を団長とする代表団は、両国間にもっと近しい党及び人的関係を造成し、両国政府がさらに公式的な関係を形成できるよう手助けする役割を果たす」と語った。

大統領補佐官が団長を務める代表団の訪朝は事実上、ドゥテルテ大統領の意向による交流事業であるとみていい。

朝鮮とフィリピンは2000年7月に国交を樹立したが共に大使館は設置しておらず、最近では国際的制裁措置に伴い交易を中断していた。 ドゥテルテ大統領は以前、金正恩国務委員長を「私のアイドルだ」と称賛しており、今回、朝米首脳会談で両国が新たな関係を樹立する共同声明を発表し朝鮮半島情勢が好転する流れが出来るや否や、いち早く朝鮮との関係改善を打診した模様。 ドゥテルテ大統領の抜け目のなさが光る。

フィリピンは長い間、東南アジアでもっとも親米的な国家であったが、ドゥテルテ大統領の就任後はアメリカ一辺倒外交から一転、中国、ロシアなどと外交を強化するなど、自主的な等距離外交を目指している。

朝鮮はカンボジア、ラオスなどと友好な関係を維持しており、これにフィリピンが加わることによって対東南アジア外交をより強化できる。 ドゥテルテ大統領がアメリカや西側の妨害をはねのけ、フィリピンの自主外交を推し進めることができるか注視される。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。