「米国は対朝鮮制裁緩和や平和体制の相互措置を」 前米国高官が見解

ジョン・メリル前米国務省情報調査局北東アジア局長が、自由アジア放送(RFA)とのインタビューで「米国は朝鮮に非核化スケジュールを要求したのだから、対朝鮮制裁の緩和や平和体制の時刻表を提示する相互措置を取らなければならない」と語った。

メリル氏は、ポンペオ国務長官の訪朝結果に多くの人が失望していることに対し、「高位級会談に対する否定的な評価は行き過ぎだと思う。 6月のシンガポール首脳会談では3つの争点が議論された。 第一に非核化、第二に新たな米朝関係、第三に米朝関係の改善だ」と言及、「人々は非核化だけに集中して他の約束を忘れている」と指摘した。

メリル氏は「非核化は非常に複雑な問題であり、確実に断言するには余りに早い。 1950年代初から始まった問題を解決するには長い時間がかかる。 一昼夜に解決策を期待してはいけない」と述べた。

また、米国が朝鮮に無条件非核化を要求すればそこから得られるものはなく、米国は朝鮮に対し、より柔軟な行動を取らなければならないと指摘、「米国は何故に対北制裁を解除または緩和しないのか。 朝鮮が非核化の一部象徴的な措置を取ったことは正しい。 アメリカもそれに相応する行動を示せば、双方が次のステップに進むことができる。 交渉とは互いに取り交わす問題であり、ただ一方的に貰うだけというのはないし、そのようにもならない。 トランプ大統領がこれを理解しているのでまだ楽観出来ると思う」と語った。

メリル氏は、朝鮮の非核化に関しても「非核化の定義をどのように行うべきかは分からない 」と前提した後、「朝鮮の核科学者たちはどうする? みな処刑すべきか? すべての核関連資料を廃棄し記録もことごとく焼却するのか? 核兵器を製造する知識や情報はすでに、朝鮮だけでなく他のところにも広範囲に広がっている。 朝鮮だけの問題ではない。 我々はなぜ、イスラエルの核兵器プログラムや、核兵器開発を目前にした他国については言及しないのか?」と、朝鮮にのみ非核化を要求する問題について批判的な見解を示した。

また、アメリカの一部マスコミと専門家が朝鮮の非核化スケジュールを要求することについて「とんでもない要求だと思う。 米国は朝鮮に非核化の時刻表を要求しているが、制裁解除の時刻表はどうなるのか? 平和体制構築の時刻表は? 対朝鮮制裁が解除または緩和されなければならないと思う。 朝鮮が通常の商業活動を行うことは、むしろ我々が奨励しなければならない部分」と語った。

メリル氏は、朝米交渉の見通しについて「非核化までおそらく10〜15年の歳月がかかる。 核物質を浄化し圧縮して朝鮮の国外に搬出するためには何回かの再処理過程が必要だが、これを数ヶ月以内に終了可能だとは思わない。 時間がかかる。 1年以内に核プログラムが解体されるという説も忘れたほうが良い。 そんなことは起こらないだろう」と強調、「私たちは、米国も相互措置を取らなければならないということを言いたい」と述べた。

年内に2回目の朝米首脳会談が開かれる可能性について、メリル氏は「十分にその可能性はあると思う。 米朝交渉の過程でより弾みがつかなければならない。 唯一の方法は、朝米両首脳が再確認のために会うことだ」と述べた。 また、「できる限り早いうちに連絡事務所が開設されたら良いだろう。 平壌に大使館が出来ればもっといいが、最小限、連絡事務所でも出来ることを願う。 朝鮮との商業活動の正常化も望むし、米国市民が朝鮮を旅行したり朝鮮とのビジネスを行う時、あえて米国政府の許可が必要とする理由はない」と語った。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。